誰が何と言おうと「香港は夏」とここだけでは言わせて

うちのマンションでもついにプール開き。
いよいよ夏も本格的に始まった感がある。

個人的に日本にいたときから夏は大好きだったから、
私としては嬉しい限りなのだが、旅行者にとっての「香港の夏」とは
どのように映っているものだろうか。

香港の夏は人を選ぶかも?

家族や友達から香港への旅行について相談されることも多いが、私の場合、
極力11月から4月ごろまでの時期に来ることをおすすめすることにしている。
要するにあんまり暑くないシーズンに来たら?ということだ。

油断しているとあっという間に過ぎてしまう春や秋はまことに気持ちが良いし、
冬も日本ほど寒くならない上に、旧正月あたりは女性にとっては重要な
セールのシーズンだから、何かと楽しく過ごせる時期なのではと思っている。

それに引きかえ、香港の夏というのは大変に人を選ぶ季節
私の父親なんて初めての香港が夏だったから、特有の蒸し暑さにやられて、
それ以来というもの香港にはまったく寄り付かない。

だんだんと歳をとったせいもあるが、香港の話題が出るたびに
「香港はなぁ、暑かったなぁ。汗ダラダラだもんなぁ」
とそればかりボケたかのように繰り返すので、
暑かったこと以外の記憶が飛んでいる可能性が非常に高い。

私としても、いろいろプランを練って、美味しいところにも
たくさん連れていったのにこれでは浮かばれないというものだろう。
そういうわけで、特に年配の方には夏はおすすめしないようにしている。

ただ、私の本心は別にある。
本当のところは夏の香港をぜひ訪れて欲しいと思っているのだ。
同意していただける人がどのくらいいるか全くもって不明だが、
私なりのおすすめの理由を下記に綴っておく。

香港名物だって満喫できる?

香港に来るからにはやはり夜景は絶対に外せないポイントだろう。
ヴィクトリアピークから見下ろす絶景、九龍側から見る
ヴィクトリア・ハーバー。まさに香港のシンボル的存在だ。

ただしこれ、いつでも写真で見るような風景がみられるわけではない。
話題の中国本土の都市ほどのものではないが、香港だって
かなりガスっていて、夜景が綺麗に見えないってのはザラである。

とくに冬になると北風が吹くから、広東エリアの工場群からの空気が
香港に流れ込んで、夜景が犠牲になってしまう
ケースも多い、
というのが悲しい現実。

その点、夏の場合、暑いのを我慢すれば昼は青空が広がるし、
夜景も綺麗に見える日が比較的多いと言える。
少し気温の下がった夜には、夜景を横目に星光大道を散歩というのも
ベタではあるが大変に気持ちの良い贅沢である。

 風俗都市の名産品

街市に足を運んでみれば分かるが、夏はフルーツの季節である。
夏しか食べられない、南国のフルーツたちが店頭を賑わす。

中でも私のおすすめはライチ
ここ香港は主産地の東莞市が近いために日本で食べられないような
新鮮なライチが安価で手に入るというメリットがある。

香港人いわく、毎日3個までしか食べてはいけない
極めて熱い食べ物だそうなんだが、何せ食べ始めたら止まらない。
私を心配してくれるのはありがたいが、
ライチと病気を選ぶなら、私は迷わずライチを選ぶ。
(おかげでこの時期、香港人との喧嘩が絶えないが。)

ちなみに、東莞という場所、私は通り過ぎたことしかないが、
市内には3つのものしか存在しないと聞いたことがある。

会社、風俗、病院

この都市の性格を見事に表したブラックジョークであるが、
ここでは東莞の名誉のためにも、風俗だけでなく、
美味いライチも産出していることをこっそり付け加えておきたい。

熱気あふれる街の雰囲気を感じてほしい

そして、次が最後にして最大の夏の香港推しの理由。

夏になると街が一段と活性化するのである。

もともと香港というところは活気に満ちた場所であるが、
昼間には嫌になるほどムッとするあの夏特有の熱気が
夜になると持ち前の明るい街の雰囲気と相まって、
そこにいる人たちをより情熱的、開放的にさせてくれる。

たとえば、夏のランカイフォン。
グラスをもって通りに繰り出し踊りまくっている人々は、
汗をダラダラ流しながらもいつも以上に沸きに沸いている。
これも夏の熱気というスパイスがあるからこそ。
そうでないとあのエリア一帯が振動するような熱狂は
まったくもって説明がつかないだろう。

これと同じ現象は街のあちこちで見られる。
普段からおしゃべりな香港人たちもより一層饒舌になるし、
見られる笑顔の数だって多く、表情も明るい。
まるで街全体に生命が宿ったかのようにイキイキとしている。

そういうわけで、眠らない街・香港の最高潮の盛り上がりを
見たいなら、私のおすすめは絶対に真夏の夜である。
沸き立つ街にこっそり繰り出しては、流されるままに身を任せ、
この街の鼓動を自分の肌で感じてみてはいかがだろうか。

そこではあなたの求めていた香港が必ず見つかるはずだ。

あ、そうそう。替えのTシャツたちも忘れずに。

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。