あのドラエもんの家の隣、大埔・大美督

普通の日本人ではまず行かないようなところなんだけれど、
意外に「通ったことはあるよ」という人なんかもいてちょっと嬉しかったりもした。

さて、今日はそのついでに訪れた(というか、普通こっちの方が有名)大美督について少々。
そもそも撮った写真も少ないし、何より絶望的に天気が悪かったから記事も薄っぺら。
だから、ひさびさに香港ライフファイルにあげてみているという次第。

吐露港を取り囲むように伸びるサイクリングコースの最終地点

おそらく、この大美督なる辺境に来るような人といったらおそらくサイクリングが目的。
しかも、別に大美督を訪れてみたかったわけでもなくて、大圍や沙田から
気持ちよく自転車をこいでいて、気がついたらここに着いていたという感覚だろう。

サイクリング
そう、ここは吐露港を取り囲むように伸びるサイクリングコースの最終地点。
長かった道のりもここで終わり。ほとんどの人はここで自転車を返して、バスで家路につくのである。
だが、中にはバスでここまでやってきて、あたりでサイクリングを楽しむ方もいらっしゃるようだ。

… 否。私はこれをオススメしない。
一度吐露港沿いのコースを走った方なら分かると思うが、道中の大學〜大埔あたりは実に気持ち良い。
まさに海を望むようにして爽快なペースでペダルをこぐことが出来る。
しかし、そんな快走も大美督が近づくにつれて雲行きが怪しくなってきてしまう。

大美督付近の自転車用道路。まさにサンデードライバーの巣窟である。
私が住んでいた頃なんて土日になるたびに何度救急車の音を聞いていたか分からない。
誰も通らない広い通りを歩いている時でさえ普通にぶつかってくる交通モラルゼロの香港人が
あろうことか慣れない自転車に乗って大はしゃぎなのである。これで事故らないわけがないだろう。

まさに現場は「あれ?私ったら今、何かレースゲームでもやってんのかしら?」
なくらいスリリングで、路上には香港人という予測不能のアクションを繰り出す障害物が
あちらこちらで奇行を繰り返す。もういっそ大美督に病院作って欲しいくらいである。

香港人たちに見る大美督の楽しみ方

ここまでやっと辿り着いたというのに、到着するや否や即バスで帰宅なんてもったいない。
周りの香港人たちを見渡してみると、それなりにこの場所を楽しんでいるように見えるし、
せっかくだから、私たちも一緒になってこの辺境の土地をエンジョイしてみたい。

サイクリング以外の目的でここを訪れる人がいたとしたら、それは肉を喰らいにきている連中だ。
それなりに広いバーベキュースペースが二箇所もあるし、海を眺めながらのそれは本当に気持ち良い。
私がここらに住んでいた時には自宅でひとりニヤニヤしながら肉を焼いていたものだが、
ここでいろんなテーブルを覗いてみるとそれぞれ個性的なメニューと焼き方で楽しんでいるようだ。

ちなみに、過去記事にも書いたが、香港人たちのBBQにかける情熱はまったくもって計り知れない。
彼らが肉を焼いている時のあんなに真剣な眼差しは普段なかなか見ることはできないから大変貴重。

tai mei tuk
学生さんたちはここらも良いデートスポットになるのかもしれない。
私が子供のころは夢ばっかり語っていたような気がするけれど、香港なんて都会では語る時間もなければ
落ち着いて語れようなマッタリ出来る場所もなかなか見つからないんじゃないかと思う。

そういう意味では大美督はなかなかに貴重な場所のひとつ。
カップルで貸しボートで海に繰り出すも良し(まったく波が立たないので彼氏も楽でしょ)、
のんびりと釣りに没頭するのもありだろうし、夕日を見ながらロマンチックに過ごすなんて最高である。

ヨット
これは私もいずれやってみたいと思っているのだけれど、ヨット。
施設も揃っていて、トレーナーなんかも在駐しているようなので、ウォークインできそうな雰囲気。
地図上では海にとことん恵まれている香港だから、マリンスポーツは常に身近にある存在。
であるのに、私がその一歩をなかなか踏み出せないのは「海の色がちょっと・・・」に尽きる。

そういう私なんだけど、ここ大美督の海の色ならちょっとくらい海に落ちてもいいかなってくらいには
澄んでいるような気がするので、なんだかんだで沖に見えるヨットは魅力的。

ただただ長い堤防も一応紹介しておく

大美督
ちょっと奥の方に行くとまっすぐに伸びた堤防が見えてくる。これが本当に笑っちゃうくらい長い。

大美督
大美督で自転車を借りるという人は主にここを走るのである。そして、事故る。
見てのとおり、事故を誘発するような要素がまったく確認できない直線なのであるが、
ここで怪我人を出してしまうあたりが香港人の偉大さである。

ちなみにここを歩いて渡ってみようという方。これも私はオススメしない。理由はふたつ。
まず、見た目以上に距離がある。おそらく徒歩だと30分近く変わりもしない風景を見ながら歩く。
今の季節ならまだ良いが、夏の太陽の下とか私には無理である。

それから2つ目の理由。30分もかけて歩くというのに、その努力が全く報われない事実。
要するに渡りきったところで、何か面白いものがあるわけでも、美味しいものがあるわけでも、
急に風景が変わって感動するわけでもないのである。
何なら「この先、何もありません。」っていう看板立てて欲しいくらいのガッカリ感。

余談になるが私が学生の時にはここを渡りきって更に進んだところに小さな防波堤があるのだけど、
そこでしこたまイカを釣っていたのを今でもよく覚えている。
街市に並ぶようなやつよりよっぽど立派なイカがここでは陸から釣れるし、味も絶妙。
ここ大美督で取れる魚介ならおそらく大丈夫だろう(科学的根拠は全くない)という思い込みのもと、
毎晩イカ料理を楽しんだものだ。釣って良し、食べて良しはまさに釣りの醍醐味。

天気が良い時にまた来たい

大美督
通りにはリゾートっぽいレストランも立ち並ぶから、BBQしに来たんじゃないのって人でもまぁ安心。

ということで、かなりローカル情報になってしまったが、興味があればぜひ。
本当に天気が悪かったのだけが悔やまれる。
晴れている日なら青空と海が広がるなかなか気持ち良いところだし、夕日がとても美しい場所でもある。

交通 – MTR大埔墟駅からバスなら75K。ミニバスなら20C。
※ちなみに大美督はいまだに大尾篤と表記されることもあるから注意。(Tai Mei Tukで同音)

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