くすぶる香港愛

まぁ、全ての手続きがうまくいくとは毛頭思ってなかったわけだけれど、
案の定HSBCがやらかしてくれて、MPF(日本で言う退職金積立制度みたいなもんね)
の解約に失敗していることが今年2月の帰国後すぐにわかった。

「あれから3回もレターを送ったのに、あなたったら連絡寄越さないんだもん。
解約申請もキャンセルしちゃったわよ。」とはHSBC CS談。

そりゃ、連絡もできないでしょ。帰国するって言ってたのにさ。

そんなハプニングがあったし、実際欧米から帰国している人たちに比べれば
随分気軽に遊びに帰る距離にあるのが香港。
今年2月の帰国の後、またすぐに香港に飛べるものと思っていた。

・・・が。
今までの帰港回数・・・なんとゼロ、である。
あれだけ香港愛を叫んでいたくせに、驚愕の薄情っぷりと言ってもいいのではないだろうか。

香港。
日本に改めて住んでみて気づいたのだけど、割と頑張って縁を繋ぎ止めないと
絆はどんどん薄まってしまう場所のようである。

「せっかく日本に旅行に来てるのに、どこに行っても聞こえてくる・・・」
過去の日本旅行時に私のことを常に尾行し続ける謎の香港団体がいるんじゃないかと思えるほど
あちこちで聞かれた広東語も、今ではさっぱり聞こえてこない。

日本人と海外の話になっても、大抵の人はフランスだの、イタリアだの、LAだの。
そういう場所には無条件に興味を示すのだけれど、香港は相当に微妙である。
なんなら話の面白さの点では、中東出身者の話の方がウケがいいくらいだ。
たまーに中国に興味を持ってる人がいたとしても、
大雑把に言って「香港も中国もよく違いが分かってない」んだけど、
経済の話をすれば「勢いは上海にあり。」というあんまり旨味のない立ち位置。
よって、香港のことを話すときの私のテンションも今やあまり高くない。

オフィスに行っても、外資だというのにうちの東京支社は典型的な日本スタイルで
仕事をする人も少なくなく、そういう人たちからは香港人というレッテルを貼られる始末。
(これはある意味、私個人的には名誉なことと受け取っているが、
当然ながらあんまりポジティブな表現ではないように思う)
挙げ句の果てに今月の連休に香港へのチケットをとっていたところへ
狙ったかのような緊急ミーティング依頼である。もちろん、東京で。

ここまで来ると、まるで神様が香港と私の縁を無理矢理にでも切ろうとでもしているのかしら?
とでも勘ぐりたくなるレベルであるが、そんな仕打ちを受けたって
いまだに上手に日本社会に馴染めない私は「いつかはまた香港に。」の思いを捨てない。
香港は香港でストレスが多い街ではあるのだが、今こうして毎日感じるような
閉塞的な息苦しさよりはちょっとマシな部類のそれなのである。

そんなこんなな近況であるが、私の中での香港愛の濃度は間違いなく薄まってきている。
あれだけ話せた広東語だって、あり得ないスピードで退化してきている。
よって、”Keep in touch, Hong Kong!!”
これを改めて心に刻んで、この世知辛い日本社会で世渡りしてやりたい。
(そして、いつか必ず香港へ!)
それが、身も心も東京で疲れ果てている私の心の叫びである。

そういえば、香港レストランの多い飯田橋。
直ぐ側にすんでいるというのに、まだ一軒も行ったことがなく。
お暇な方はLet’s explore together 

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