香港グルメのひとつでも紹介したかったのに

香港ローカルブログを書いている、とは言うものの残念ながら
私のブログにはこの街を訪れる方々にとって役に立つようなもの、
いわゆる観光情報と呼ばれる類のありがたい代物は全く見当たらない。

住んでしまえば意外にローカル色も希薄になってしまうという意味において
この街に住む一人の外国人のリアルな事実の記録ではあるのだけれど
香港ローカル情報と言われて普通の人が思いつくのはもっと別の風景である。

そういうものについては、むしろ日本に住んでいながら、日々この香港と言う街に
想いを馳せている香港ファンの方々のほうが私よりよほど詳しかったりするわけで、
彼らが発信する情報を私の方がむしろ参考にさせていただいている、
そういうお世辞にも褒められた生き方をしないのが私という人間である。

何故日本人はこんな店に惹かれるのか

金華

久しぶりに茶餐廳からの写真が載せられて何だか安心する。
たまにはこうやってローカルアピールしないと、私が香港居民であることすら
忘れてしまっている方もそろそろ発生していそうだからである。

場所は皆さんもよくご存知の旺角は金華冰廳。
日本人からの根強い支持を受け続ける人気店のひとつで、
ここをプライベートキッチン代わりに使っている方々も多い。
例えば、

3月3日はひなまつり。香港では雛あられのかわりに菠蘿油を食べます。 (@ Kam Wah Café 金華冰廳 in Mong Kok) 

— ktms (@akiramujina) 

と言った具合に何かにつけてお気に入りの金華を贔屓にしつつ、
「移り変わりの激しい香港飲食業界、好きな店は自分で守れ。」を体現する
氏の香港における生活態度にはなかなか心を動かされるものがある。

尚、金華には香港人も同行したわけだが、
「日本人は、はるばる遠くからやってくるのに何故こんな店に?」
目をまん丸くしながら素の質問を浴びせてきていたがまぁ言われてみればそうである。
周りを見渡しても、まさにどローカルな人々しか視界に入らない。
(ま、そこがまた良いっちゃ良いんだけど)

出会いが大事


金華で食べているときにもチラッと見かけたのだが(というかどこの店にも大抵ある)
香港グルメを語るときに地元民と私の間で必ずヒートアップする一品が例湯である。
私はどうにもこの例湯と言うヤツが苦手、というか何が入っているかわからない上に
大して味付けもハッキリしない、大変に胡散臭い料理という評価を与えている。

そういう私の感想を聞くなりほとんどの香港人は健康上の理由を挙げるのであるが

「だから、あれは味うんぬんよりも、健康のために飲むものなの。」
「うん、そうだね。まぁ、だから俺も出来るだけ飲むようにしているよ。」
「でしょ?それに結構美味しいしね。」
「例湯は味がない。」
(初めに戻る)

という無限ループが発生するのが常なのである。

ちなみに、一口に例湯と言っても、店や家庭によって味付けも違うし
入れる食材によって別物のように変わることがあるそうなのだが
そう言われればたまに抵抗なく(好きとは言ってない)飲めるヤツもあるような気もする。

おそらく出会いが大事だったんだと思う。
私が最初に出会った例湯がトラウマ級に大外れだったのではないだろうか。
「ここの例湯はうまい!」といった情報はあまりお見かけしたことはないが
私のこのトラウマを払拭できるような店をご存知の方がいらっしゃったらご一報いただきたい。

ローカル店で浴びる洗礼


金華の翌日。ランチはあの四川料理の名店、滿江紅。
私のローカル店巡りのブームに火が付きつつあった。
(四川料理をローカル店呼ばわりするのも何だが)

朝からジェシカちゃんに向かって「口水鶏食べたい。」という相手にとって
何の利益ももたらさない呟きを繰り返していたぐらいだからブームも本物かもしれない。

愛想を故郷に置き忘れてきたおばちゃんにより運ばれてきた念願の口水鶏。
今すぐにでもかぶりつきたいくらいであったが、私もブロガーの端くれ。
いつか使うこともあろうかと素早くスマホを向ける。

満江紅

何か、俺の口水鶏を風呂代わりにして気持ち良さそうに浸かってるヤツがいる・・・。
(拡大写真は閲覧注意で)

せっかく久々に吹いたローカル回帰の風。
それに乗ってやってきた俺に随分とひどい洗礼である。

ちなみに、近くのおばちゃんを呼びつけてみたんだけど

おばちゃん、入浴中のアレを目視(明らかに気づいてる)
俺の目をまっすぐ見ながら「何?」(凄みのきいた視線で黙殺を試みる)
「いや、ほら。何かいますが?」
「あぁ、同じの持ってくればいいの?」
「え?同じのって・・・?」

という、冷静沈着過ぎるというか、むしろ発見したお前が悪い的対応で半泣きである。

一旦厨房に持ち帰られたそれが、どのような処理を経てまた私たちの前に
やって来たのかは想像したくもないが(なんだかんだ言いながら食べたけどな・・・)
現在のところ特に体調不良ということもないから、
この記事を書いたあとに全ての記憶を闇に葬ってしまうことで決着をつけたいと思う。

私の中に定期的にやって来るローカル回帰の風、今回は2日(実質24時間)で終了である。

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