快、快、快!
私も香港に住んで随分経つけれど、今までずっと言いたくて言えなかったことがある。
何なら香港人の目の前で大声で叫んでやりたいくらいだけど、
そんなことやったところでどうせヤツラの容赦の無い粗口の餌食になるだけだから、ここで言おう。
あのね、私が日本人だって分かった途端に
「香港は何でも快、快、快だからね〜。本当に忙しい街だろう?アッハッハッハ。」
マジでやめろ。(怒)
何だか日本が香港より田舎(暇)であることが前提であるような気がして
私は人知れずちょっと、いや、かなりイラッとするのである。
実際のところ、わりとポーッとした人間である私ですら香港が特別忙しいとも思わないんだから
日本の首都圏での生活に慣れた人なら全然平気な街、なんではなかろうか。
ついでに言うと、私も社会人の端くれだから、人より暇だと思われることには
それなりにセンシティブだったりするのである。(これ、何でなんやろねぇ・・・)
だからついつい「ねぇ、君は東京行ったことあるのかい?」なんて聞き返したくなるけれど、
「あれ?HKLFって東京出身なの?」っていうブーメランが返ってくる可能性が高いから
地方育ちの私はそれが怖くて真っ向から議論へと踏み込んでいくことが出来ず、
余計にストレスを溜めるという負のスパイラルの中を10年近く彷徨ってきた。
しかし、である。
毎日繰り返し言い続けてないと死んじゃうんじゃないかっていうくらい、
呪文のように「好忙、好忙」を唱える香港人たちだけれど、
ぶっちゃけた話、彼らはそんなに忙しい人たちなのだろうか。
私はそれにはかなり懐疑的である。
大体、彼らの私生活の過ごし方なんてろくなもんではない。
「定時に帰らないと!」 → 家に帰って徹夜でゲームしたいだけ
「ご飯を食べに行くの。」 → そこらの店に意味もなく一時間以上も並んでは残念な飯にゲンナリ
「出かける用事があるから。」 → 759の安売りで今年一番のやる気を発揮
・・・よくよく聞いてみるとそんなもんである。
本当にやんなきゃいけないことをちゃんと考えて充実した毎日を過ごしている人なんてごく少数。
多分、ほとんどの人が忙しいことにしとかないと何か落ち着かない、というか損したような
気がしているだけなんではないだろうか。
私はそれもまた香港人たちの不治の病「Cheap精」の仕業だと思っているけれど。
ちなみに、私は先週末も弾丸で鳥取のど田舎に帰省したのだけれど、あそこには本当に何もない。
たとえば私が小学生で、1km先の学校からうちに帰るまでの道を歩いているとしても
途中に私の興味をそそる物と出くわす可能性なんて限りなくゼロに近いだろう。
私があの環境で学生時代を過ごしていたなら、勉強しかやることがなくて超優等生になってたはずだ。
しかし、香港は違う。
この街で1kmも歩こうものなら、途中に美味しい匂いの小食はあるだろうし、
意味もなくトラムに飛び乗っちゃうかもしれないし、
馴染みの茶餐廳でちょっと背伸びして鴛鴦茶でも頼んじゃうかもしれない。
街には誘惑がいっぱいで、気がついたら周りに忙しくさせられちゃってるのだと思う。
あ、それから。
「忙しい、忙しい。」といつもセットで出てくる
「香港での生活はねぇ、本当にストレスフル(好大壓力!)だよ。」
ってヤツ。・・・間違いなく東京の方が辛いから。
これはブログでうだうだ書くよりも、今の私の表情を見てもらうのが一番説得力あるかもしんない。
ということで香港人諸君、日本人に忙しさ自慢すんのやめようね。(そして東京出身かなんて聞くな。)
この記事へのコメントはありません。