飛行機に乗る前から香港旅行気分な素敵航空キャリア

実は来週、日本へとまた飛ぶ。
出張から香港へと戻ってきたのもつい最近な気もしないでもないが、
今回はやっとプライベートな休暇ということで一時帰国するのだ。

思えば9月。まずは日本、からのっ!台湾旅行を画策していた私に
上司の無慈悲な長期出張命令が下ったあの日も今となっては懐かしい。

今回、日本で何をやるかは忙しくてまったく決めていないのだが、
海外永久ビザ取得者の特権でもあるJapan Rail Passでも使って、
いろんなところを回ってみるのもありかな、とも思っている。

そして、今回の発着は福岡。
実家が西日本でもあるので私は普段大阪発着が多いのだが、
弟が福岡で仕事をしているということもあって、
ちょっと挨拶がてらいつもと違うルートにしてみた。

無難なキャセイで飛ぶつもりが


日本と香港を結ぶ空の便。充実の路線である。
最近、LCC各社が続々参入もしていることも手伝って、あまたの
航空会社、発着便の中から旅行の都合に合わせて自由に選択できる。

ぶっちゃけ言うと、私が日本(例えば羽田)に降り立って、
鳥取行きの国内線に乗り継ぐ時の方が便数も少ない上に、値段も高い。
そういう意味では、国内線よりも気楽に乗れちゃうフライトとも言える。

そんな中にあって、福岡発着という条件には東京や大阪ほど多くの
オプションがないため、私はリサーチに若干の時間を要した。
無難に行くならキャセイ便(ドラゴン航空)。
他経由地を乗り継ぐ怪しげな中華系航空会社たちもあるようだ。

リサーチが段々面倒くさくなった私だが、もうちょっとでキャセイを
ポチリそうになるところで、どこかで見たことのある航空会社名が
視界に入る。香港エクスプレス航空。その名の通り、香港拠点のLCC。

私の周りの香港人たちも最近頻繁に利用しているようだし、
無事旅から戻ってきているところを見ると、公式サイトの頼りなさ気な
ルックスとは裏腹に飛行機自体は安全に飛ぶのだろう。

私はそんな個人的にあまり付き合いのない航空会社と今回福岡まで
飛んでみることにした。LCCだからリーズナブルなプライスが
期待できるだろう
し、そもそも数時間のフライトに私はサービスや
機内食など期待していないから、私のニーズにも合致する。

全然LCCらしくないお買い上げをする人


どうでもいいことだが、私の福岡行きのフライトはなんだかんだで
3,000香港ドル以上の値をつけた。あまりLCCらしく可愛らしい値段とは
言えない
。キャセイだって、場合によっては同価格帯のプライスを出せる。
しかもこのローシーズン真っ只中のお話である。

ちなみに、最近のツイッターを見てると、私が購入したちょうど後から
セールをやってるらしく、私の半分以下の値段で買えたというような
心が折れるようなツイートも多数流れていることも私は知ってる。(涙)

まぁ、それはいい。
私の日本行きなんて、直前にならないと決まらないし、
何ヶ月も前からブックするなんて仕事の関係上、無理なのだ。

それよりも問題は、私が公式サイトでチケット購入したというのに、
香港エクスプレスからコンファメーションメールが全く来ないってこと。
というか、精確に言うと、私がクレジットカードを入力した後の
決済中のアナウンス間にブラウザが落ちたのである。

目的地を設定したり、オプションを選んでる時からなんとなく
動作が不安定な兆候はあったが、それは気のせいではなかったのだ。
しかし、よりによってクレジットカード通した後で落ちるとは。

うかつに再購入するとダブルブッキングになっちゃう可能性もある
最悪のパターンなので私はしぶしぶカスタマーサービスに連絡。
が、すでに営業時間は終わっているらしく、事情を簡潔に説明する
メールをひとつだけ打ってさっさと就寝することにする。

ブラックなのか?ネガティブコメントが次々と


私が起きる頃には、彼らの返信が私のメールボックスに入っていた。
なんてレスポンスの速い航空会社なんだ!私は感心した。

「あなたの予約はこちらで確認できてるわ。今、コンファメーション
メールを出す準備をしているから、ちょっと待ってて。」

ということで、itineraryは未だお預けだが、とりあえず予約は
入ってるようだからひとまず安心。
普通は予約確認も自動化されてて、購入と同時に送信されるものでは?
という真っ当な疑問も感じつつも、朝のバタバタする時間の中に消えていく。

… 待てど暮らせど香港エクスプレス航空からの連絡はやってこない。

おまけにツイッターのお友達の方々の話では、「itineraryが何故か
3つ来た」って人や「二重決済になってた」って人がざらにいるではないか。
ちょっと聞いてみるだけでも、こんなネガティブ・フィードバックが
簡単に集まってくるような航空会社。きっとブラックに違いない

さすがに私も不安になってきて、カスタマーサービスに電話。
日本語によるサービスも提供していることに驚きつつも、
自動アナウンスで流れる「日本語をご希望の方は4番を押してください」
とおそらく発音しているであろう、辿々しい日本語に再び驚愕する。

もしこんな話し方をする人が電話口に出てきても、詳細説明した上で
意思疎通を図ることなんて全く期待できるレベルではない。
典型的な「私、日本語喋れますよ。」とは豪語するものの、
ちょっと話し込むと異次元空間に引き釣りこまれる香港人の喋り方である。

そんな落とし穴の4番を押す勇気が湧いてこなかった私は、
仕方なく英語を選ぶ。多分、この人の話す日本語レベルよりは私の英語
レベルの方が若干マシだろという消去法的判断がなされたわけである。

スレてるカスタマーサービススタッフ


未だにこの選択が正しかったのかどうかは分からない。
英語担当として電話に出てきたのは随分と攻撃的に話す香港人女性。

声の端々に「はいはい、あんたは何の問題があってかけてきたっての?」
というクレームの電話を受けることに慣れきっている態度と、
客に切れられる前に私が先に逆ギレしちゃっとこ的な開き直り
爽快なほどに感じられる女性である。

「予約は入っているみたいなのだけど、itineraryがまだ・・・」

相変わらずの怪訝な態度で本人確認を終わらせた彼女は、
端末の中から私を探し当てるのに成功する。

「あぁ、ありますね。11月xx日の福岡行き。」

「そうですか。じゃあ、itineraryを・・・」

「優先席1Aでとってるね。」

「あぁ、それです。ですから、itineraryを・・・」

「帰りも1Aでとってるし。」

「えぇ・・・。itineraryをですね・・・」

「しかも、25kgの手荷物までつけてるけど。(失笑)」

「はい、だからitineraryを。(涙)」

何だかよくわからない尋問を繰り返すうちに、最初はつっけんどん
(言わない?)だった彼女の態度も徐々に軟化。
せっかくLCCなのにご丁寧に優先席までとって、更には手荷物もどんだけって
くらい持っていく準備をしていることを晒された上で、電話は終了。

それから、数分後。
数行のメッセージとともにitineraryは私のメールボックスにあっけなく到着。
このたった一通のメールをもらうために、メール・電話でプッシュ
しないといけないってところが中華の香りを濃厚に漂わせる会社である。

ともかく。
出発前から香港気分を(ネガティブな意味でも)味わえる素敵な航空会社
香港エクスプレス航空。代替がいくらでもある中で、わざわざ好き好んで
乗るようなキャリアでもないと思うが、香港特有のネゴ社会に
耐性のある人なら特に気にならないのかもしれない。
(実際、安い時は本当に安いという私の享受出来なかった魅力もあるしね)

あとは当日、無事に飛び立ってくれるのを願うばかりである。

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