香港人男子の見せた意外な自信

数週間前に申請した永久性香港IDカード。

お役所の仕事だから、グダグダやってるうちに絶対に長期戦になる、
と覚悟してたのに、昨日はるばる海を渡って湾仔まで行ってみたら、
「はい、approvedですよ。」ー あっさりと承認が降りてしまった

こんなポジティブな方向に期待が裏切られるなんて、
めったに無いことだから、まさに拍子抜けの展開である。
それに、こういう「トラブル」こそ、この「香港ライフファイル」の
ネタになるわけで、今回の件で「一記事や二記事は軽く書ける(確信)
と考えていた私の計算は大きく狂ってしまったのであった。

 ネタはいつもの美容室から


そういえば、先週末も珍しく私は海を渡って、
「美容室の街」銅鑼湾にある馴染みの美容師を訪れている。
日本語が通じることを売りにしているこのお店で、
これまた日本語話者であるL氏と何故か広東語で話ながら
いつものようにくだらないトークに花を咲かせていたのである。

話題は私も近々訪れる予定の台湾の話になったのだが、
多くの香港人がそうであるように、やはり彼も台湾ファン。
それがどんなに素敵なところか、経験も踏まえて力説してくれた。

話はどんどん広がって、やっぱり男同士の永遠の定番トピック、
台湾女子で盛り上がって来た、その時である。

L「台湾の女の子はとてもフェミニンで可愛いよ。」
私「そっか。じゃあ、台湾はハンサムも多いし、美男美女の島だねぇ。」
L「うーん、でも実は台湾の女の子は香港人男子が好きな子も多いんだ。」
私「あら、そりゃまた何で?」
L「香港人男子の方が男らしいからさ。」
私「ブッ!(飲んでた麦茶を吹き出す)」
L「台湾男子はちょっと女々しい感じもするしね。」
私(白目)

 模範的草食系男子


このL氏という男、たまにおかしな格好をしてはいるが、
仕事のできる頼もしいヤツだと思っている。

特に「あ、今日のカット、微妙かも。」と思ったときでも、
終盤にかけての巧みなトークで無理やり「意外にイケメン?」
と錯覚させてしまう、香港人ならではの話術スキルなんて惚れ惚れする。
(いやいや、カットの腕もしっかりしてるから、私は通ってるんだけど)

ちなみに、彼も含めて基本的に私の香港人男性の評価は低くない

もちろん、一言に香港男子と言っても、ピンからキリまでいるから、
紋切り型に語ることは出来ないが、誤解を恐れず言ってしまえば、
概して大人しくてお行儀も良い人が多い。そこそこ小奇麗にもしているし、
私のような大男人な日本人男性よりもよっぽど気がきくところもある。

揃いも揃ってこだわりの黒縁メガネをかけている不気味さはあるが、
経済的なレベルで考えても他のアジア諸国に比べれば高めの水準だし、
ある意味理想的な男性像といえるかもしれない

特に女性に対して親切で細やかなところは私にとって印象的で、
重い荷物を持っていたら、さりげなく手伝ってくれたり、
一緒に食事をしている時にも、当たり前のように食べ物を取り分けてくれる。

あたかも女王蜂(港女)に仕える働きバチのごとく、まったく違和感なく、
自然な振る舞いで女性に奉仕している姿に私はよく舌を巻かされてしまうが、
さすがにこの点については日頃の港女たちの教育の賜物と言わざるを得ない。
あの港女にしてこの港男あり

よく訓練された模範的草食系男子たちなのである。

 中性的でクリーンすぎるそのイメージ


しかし、である。

そんな紳士的イメージを醸し出す香港人男子たちに一つだけ不満が
あるとすれば、それこそが「男らしさ」だと私は思っている。

生まれながらに働きバチDNAが埋め込まれた彼らであるから、
アグレッシブにアピールしていくことや、男臭さっていうような
働きバチのアクティビティに不要なものはインストールされていない。

そもそも、スポーツとかやってたり、体を鍛えてる人自体が少ないし、
かろうじて流行っていると思われるサッカーも、
実際グラウンドに立って颯爽と駆けまわる香港男子は少数派で、
大抵、夜中に茶餐廳でサッカー中継を見ながら管巻いてるクチ

そういう意味では、この香港に生息する男子たち、女性からは
安全でクリーン(すぎる)という良いお友達的印象
持たれているのではないだろうか、と考えてしまうこともある。
おおよそ男という生き物に有りがちなアクってものがほとんどなくて、
さらさらとした水のような良くも悪くも危険な香りとは無縁な存在である。

台湾に行ってみれば全ては分かるさ


・・・というのが私のちょっとした港男に対する考察なのであるから、
L氏の「香港人男子は台湾人男子より男らしい」発言には、彼の美容師特有の
中性的なビジュアルも相まって、度肝を抜かれてしまったのである。

ともあれ、彼の認識が特異なものなのか、他の港男たちも同じ認識なのかは
定かでないが、9月に私が台湾を訪れた際に全ては明らかになるであろう。

ちなみに、ここでも重ねて書くが、以上の見解が
すべての港男たちに当てはまるなんて決して思わぬよう。
なんで私がわざわざこんな念押しをして書くかというと、
前回私が港女論を書いた時に巡り巡って港女たちに見つかってしまい、
私のメールボックスが阿鼻叫喚の地獄絵図になってしまったからである。

私個人的には、この香港を席巻する港女の後ろを三歩さがって
スマホをいじりながら歩く、大変な苦労人である港男に友達も多いし、
その人懐こい性格もあって、愛すべき存在だとは常々感じるところだ。

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