味音痴による香港グルメ考

香港ブログ

私がこんなところでいちいち香港を語らなくたって、
他の皆さんがいくらでも良い記事を書いていらっしゃるのは
ご存知だと思うが、香港について語るといった場合、
避けては通れないあるひとつの鉄板トピックがあると思う。

そして、香港ライフファイルは今までそれを極力避けてきている。
他のブログにあって、このサイトにないもの。

そう、それは「」。

食の都とも謳われるここ香港にあって、グルメ記事は王道中の王道
であるにも関わらず、私がそれを避けてきているのは、
割と味に甘いところがあることと、食に関するボキャブラリーが少ない、
この二つの致命的弱点があるからなのである。

きっと私のグルメ記事を読んで、美味しそうだから足を運んでみよう、
なんて出てこないという、底知れぬ強い自信を持っている。

しかし、そんなグルメに全くうるさくない私でも、
たまには香港の食に対して物言いたいこともあるわけである。
私の主観100%などうでもいい記事だが、よければ読んでいただきたい。

今日は中華にするか、といえばあれだったが

何度も書いたが、私が香港に初めてきた時はほとんどリサーチなしで
来たから、この土地にどんな料理があるかなんて知らなかったし、
それに対して期待もほとんど持っていなかったと思う。

だが、一つだけ食べたいものがあった。
それはラーメン

私が日本にいた頃、友達と「今日は中華にする?」と言えば、
それはすなわち「ラーメン屋、いこっか。」を意味する言葉であり、
誤解を恐れず言えば、中華料理=ラーメンだったのである。

であるから、中華の本場に乗り込んでいくということは、
中国四千年の歴史を凝縮したような絶品ラーメンを食べに行くことであり、
私の胃はラーメンを食べる準備だけは万端であったと記憶している。

しかし、そんな私の淡い期待とは裏腹に、残念ながら旅行中には
私が想像していたような究極のラーメンは現れてはくれなかった。
それどころか、香港人と話しているうちに衝撃の事実を耳にしたのである。

ラーメンって日本食でしょ。

この人達はおかしなことを言うものである。
私は普段あまり熱くなって議論するような人間ではないのであるが、
この時ばかりは握りこぶしを作って、ディベートしたことを覚えている。

結局、昨今香港を席巻する日系ラーメン店の活躍振りを見ると、
まことにそうなのかもと思ってしまうが、未だに腑に落ちない話である。
ラーメンは日本のものだが、尖閣は中国のもの

誠に奇怪な理論である。

ローカル食を食べるべきなのである

ラーメンと来たら餃子。

主役である中華の王様(私はまだ中華だと言いたい)、ラーメンに
横から花を添える名脇役、餃子もまた日本人が思い浮かべる中華の
代表格の一つであろう。少なくとも私はそうである。

これに関しては香港で何度か口にする機会があったのであるが、
結論から言うとこれは私の期待に応えるほどのパンチ力はなかった
もともと焼餃子派である私にとって、水餃子の多い香港、
というマイナス要素を差し引いて考えても期待はずれだったのだ。

しかし、今考えれば当たり前の話である。

餃子を出しているような店の看板には軒並み「山東」の文字が
見られるし、美味しいと評判の餃子屋は大抵東北地方出身
強い訛りを有する中国語を話すおっちゃんがやっているわけである。

中華料理といったって、その大きな括りの中には多数の食文化が
含まれているわけで、本気で美味しいものを食べたいと思うなら、
実際にその土地に行って食べねばならない

私が香港でやってしまったことは、いわば京都の料亭に入って、
「すんません、たこ焼きください〜」と叫んだようなものであり、
北海道の牧場に行って、「ゴーヤチャンプルー食べたいんですが」
と青空の下、牛さんもビックリな無理言ったようなものである。

私の思う香港旅行で外せない3つの食に関するキーワード

と言うわけで、香港に来たなら香港ならではの料理を楽しむべき、なのは
私がこんなにダラダラ書かなくても皆さん知っての通りだとは思うが、
では香港が北京や上海の人たちに胸を張って自慢できるような中華料理とは
いったい何なのであろうか。

ここで私が思い浮かべる料理は3つ。

一つ目は言わずもがな、飲茶
例えば誰かが香港に遊びに来たとしても、これだけは安心して
人を選ばず連れて行けるという、ガイドする側にとってはありがたい安全牌
定期的に食べ過ぎてしばらく通わない期間はできるものの、
気がついたらまたハマってしまっているという香港自慢の食文化。

そして2つ目はお粥
私の周りの人間は特にそうなのだが、健康マニアな面も持つ香港人。
このお粥はそんな体に優しい食を具現化したような一品であり、
油っこい料理に疲れた旅行者の胃の休息にはぴったり。

最後は。スープである。
私は料理に疎いから、実際何が入っているのかよくわからないが、
具材の味がよく滲み出た薄い塩で味付けされたスープはなかなか美味。
といっても、最近まで私はずっと「味がしない」と思っていたから、
人を選ぶものかもしれない。好みに合うような絶品スープに出逢えれば、
ハマるのは間違いないが、それまでにギブアップする人が多いのも事実。

食の都とは言うものの

それから、食の都と形容されるが故にドサクサに紛れて
雰囲気で美味しいことにされている」品々もあるのには注意したい。

たとえば、私的には食に厳しいここの住人たちが出前一丁の虜に
なってしまっている矛盾には長いことショックを受けていたし、
(なんせ貧乏学生時代に食べ過ぎて、もう見たくないくらいだ)
菠蘿飽なんかも正直に言えば、日本でそこらで売られている
メロンパンの方がよっぽど美味しいのではないかと思っている。

「私、今、香港の茶餐廳の喧騒の中で食べてる。」という雰囲気補正
旅行者にとってはそれこそが旅行の醍醐味であるし、
私も同じことをやって来たのだがさすがに長く住むとなかなか
気分だけでは食っていけない気もしてきている。

そういえば、最近Twitterでちらほら見かけた
香港人の6%、トイレの後に手を洗わず
なんてのも見るとギョッとするけど、香港のトイレで行き交う
おっさんたちを見てるとまぁそんなもんかな、とも思う。
(でも、日本の男子トイレも実は高そうな気がするけど、気のせい?)

と、なんだかこう書いていると段々香港の食の闇の部分に話が
及んできているのだけど、要するに香港に来たからといって、
妄信的に(中華ですら)何でも美味しいと思わずちゃんと選ぶこと
きちんと勉強してくる皆さんだから、今更言わなくても良いと思うけど。

それさえできれば、「食の都」の名に恥じない幸せな時間は約束されたも同然。
味に疎い私が言っても説得力に欠けるかもしれないが・・・。

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