まったく香港人ってやつは
「まったく香港人ってやつは。」
私の心のなかで毎日必ず10回以上呟かれるのだが、
けっして本人たちの目の前では口にされない可哀想な言葉である。
頑張ったところでTwitterでせいぜい囁く程度が関の山だ。
昨晩だって、マンションのドアで香港人女性と鉢合わせたときに
せっかく気をきかせて高級ブティックのドアマンばりに
ドアを開けてやってたのに、視線もお礼もくれずに意気揚々と通過。
確か木曜日の仕事帰りにも他の女性に同じことをやられたから、
(こういうことだけはよく覚えているやつだ、私は)
これはもう港女の一部が「女の特権」を勘違いしてしまっているか、
私がドアを開けるために生まれてきたような空気のようなヤツか、
どっちかでまず間違いないだろう。
ここは私のサイトだから、管理者特権でここは前者と仮定するが、
本当に「レディファースト」を間違って解釈している港女は
そこら中にいると思うし、そんな人に限って、ルックスもまぁまぁだ。
そもそも、レディファーストしてもらえるほどの代物か、あんたたちは。
(絶対ここでしか言えないけどね)
オゥって何だよ
それから。
さっき、クラブハウスにお昼を外賣しにいったのだけど、
たった一皿の意粉を頼んだだけなのに、待てど暮らせど出てこない。
温厚な気の弱い私もさすがにしびれを切らせて、
「私は外賣番号21ですけど、どうなっていらっしゃいますか?」
と紳士的に聞いたのに、女の子の反応ときたら、
「オゥ」
もう、何なの、それ。
香港来てからもう何百回も聞いたけど、その「オゥ」は
イエスなのか、ノーなのか。はたまたサプライズな「Oh!」なのか。
何の説明もなく、かつ悪びれることもなく、
粛々と厨房に入っていって2秒くらいしたところで
また何事もなかったようにカウンターに戻ってきた。
私にはもちろん何の新情報も与えてくれない。
しかも、
「てめぇ、おかしな広東語話しやがって。二度と話しかけんなよ。」
と言わんばかりのオーラがにじみ出ている。
『沈黙は金』に非ず
そういや、香港人の友達はいつも言っている。
「香港人が仕事しないときは、ちゃんと怒らないとダメだ」と。
まったくもって面倒くさいことであるが、これは誠にもって正しくて、
香港人と来たら、相手が怒らないEasyなヤツだと認識するやいなや、
あり得ないくらいに手を抜いて仕事をしてくる。
・・・分かっちゃいるんだけどねぇ。
あの香港人たちを相手に口喧嘩・・・。正直、勝てる気がしない。
あいつら、間違いなく生まれた時は口から生まれてきただろう、
ってくらい粗口のボキャブラリーが多い上に、
リミッターがぶっ壊れてるのかってほど声がでかい。
だから、今日もたかが意粉ひとつに40分も待たされちゃって、
私は言ってやったさ。
一言、「唔該 」って。
・・・なんか、今の日中関係を象徴しているよね。
私に日本政府を批判する資格なんて全く無いだろう。
そっとしといて
ちなみに、私を苦しめるこうした香港人たちとのやりとりなんだけど、
この大都会、香港で暮らす都会人たちのある程度共通の特徴なんだと思う。
これだけ知らない人とすれ違う中で、「自分を守る」ってことを
やってかないと、人にも利用されるし、彼らの生活も十分忙しいわけだし。
東京の人が冷たいっていうのと同じかもしれない。
ただ、この香港人たちなんだが、一度仲間だと思うと、
驚くことに家族ばりに心をオープンにしてくることがある。
これは異国の地で暮らす私たちにとってはすごく嬉しいことだ。
だから、香港で友達が出来た時はいろんなことをシェアできて、
素直に喜んだし、今でもそうなのだけど、
ここにもちょっと落とし穴があったことに私は気づいた。
「ちょっと一人にさせて。」
これが通じないってことに。
毎日生きてりゃ、落ち込むことだってあるし、そんなときは
人と話すことも億劫になって、ひとりで夜空でも眺めてたい時がある。
そこを分かってくれないのである。
どっちが慰め役なのか
ひとたび私が落ち込んでいようものなら、
「どうした?元気ないじゃん?」「景気付けに飯食いに行こう」
「旅行でも行かないか?」「散歩してんの?一緒していい?」
とか、絶え間なく心配メッセージがとんでくる。
これはめっちゃくっちゃありがたいことなんだけど、
どうしてもそんな気持ちにはなれない。だから、最初のうちは
丁重にお断りするのだけど、メッセージは以前に増して多くなる。
私も疲れてるから、最後の方はうざくなってしまって、
無視とかになってくるのだが、そんなことをしてしまうと、
全人格が拒絶されたような顔をしてしまって、
気がついたら何故か私が慰め役になってるという事態が起こってしまう。
きっと「そっとしておく」っていう文化があんまりないのかも
しれない、というのが私の今のところの結論だが、どうであろうか。
友達だったら何でもすぐにシェアして、愚痴を言い合って解決する。
これが、彼らのストレス解消の王道なのだろう。
そんなわけで、良くも悪くも私の毎日はこのいまいち
憎み切れない香港人たちに振り回されながらも、
死なない程度に過ぎていっているというわけである。
(普段言えないことが言えて、私は今とてもスッキリしている)
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