香港においてエレベーターとは戦場である
エレベーターに入れてもらえないって経験はお有りだろうか。
先ほど、甘党の私が下に降りてグリーンティーフラペチーノでも。
いや、たまにはPacific Coffeeかな。とかくだらんことを考えていた矢先、
上から降りてきた香港人(推定二十歳そこらの保険エージェント)に
エレベーターを一瞬で閉められ、私は乗り遅れた。
ぶっちゃけた話、私にはよくあることである。
さっきも、確実に彼女の視界に私は入ってて、
とてもエレベーターに乗りたそうな顔をしてたと思うのだが、
おもむろに「閉」ボタンは押され、思わず日本語が「ちょ!(っと)」
と出たのも虚しく、ドアは無情に閉まった。
私がドン臭いからなんだろうけど。
彼らは粛々とローカルルールを遵守しただけ
ちなみに、これはエレベーターを外から見た見方だけど、
中から見えるとどうなっているかというと、
彼らは彼らで粛々と香港ルールに従っているだけである。
「閉」ボタンはドアが開く前から押すもの。
自分の目的階に行くまでの停止階では、
誰かが途中で降りようとしようが、乗ってくるのが視界に入ろうが、
ドアが開く前から「閉」が凹むくらい強烈に押され、
一瞬開く間に人々は乗り降りしなければならない。
周りの香港人たちはこれを颯爽とこなすが、私にとっては
まるでアクション映画のような無駄にスリリングな滑りこみを
強要されてる気分になって、いちいち気分が落ち着かない。
(ここはオフィスであって、映画の撮影現場ではない。)
っていうか、特に途中階で降りる時に感じるけど、
自分が降りる前から誰かが「閉」を強烈に押してる事自体、
「早く降りなきゃ」とものすごいプレッシャーを感じると同時に、
私は空気みたいな存在なんだろうか、とまたしても私は
一人哲学タイムに追い込まれていくのである。
だから押したってば
ここまで書いたからついでに書くけど。
毎朝、私がビルの下のエレベーターのボタンを押して待ってる時、
後から来る人が同じようにボタンを押すことが日常になっている。
しかも連打だ。
これ、私のエレベーター関連問題の中では最重要トピックである。
なんせ、エレベーターのボタンが押された場合、
きちんとライトアップされてて、誰かが押したってことは
誰の目からみても一目瞭然である。
にも関わらず、ガシガシとボタンは押されていくわけである。
だから、押したってば。(言えないけど)
それから、横断歩道の黄色いボタン(どこにボタンがあるのか
いまいち分かりづらいやつ)もそうだけどさ、
たくさん押せば早く来るとか無いから。(やっぱり言えないけど。)
もう空気でいいよ、空気決定
もっといえば、私という一人の人間がエレベーターの前で
今か今かとドアが開くのを待っているっていう事実を
彼らにはよくよく考えてみて欲しい。
私がそこに立っているのを知っていて、ボタンを改めて連打する
ってのは、私がエレベーターの前でボタンも押さずにボケーッと
突っ立ってたオマヌケさんって言われているのと同じである。
もしくはやっぱり私が視界にも入らない空気野郎ってことだ。
私は毎朝これを経験するわけだが、最近ようやく感覚が
麻痺してきてどうでも良くなりつつあるから、
恥を忍んでこうして自虐ネタに走ってみたけれど。
ちなみに、私が日本にいたころはどっちかというと、
「開」ボタンを押すことの方が多かったのだけど、
香港じゃ「開」はいつもピカピカなのに、「閉」の方はベコベコ。
だからさ、将来私が香港で何かビジネスしようという段になったら、
エレベーターの「閉」ボタンだけを専門に作る会社にしようと思う。
毎日のように注文がやってきそうだし、
自動連射機能とかつけるとすごい売れると思うんだけど。
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