香港であんた何するっていうの?

うも良い風が吹いていない気がする。

仕事の話なんだが、日本に支社が出来てしまったのである。
会社にとっては大変喜ばしいことではあるのだが、私にしてみれば、
本社はヨーロッパ、プロジェクトは日本で動くから、
香港であんた何するっていうの?」状態になりつつあるのだ。

そういうわけで、私は近々身の振り方を考えねばならない時期が
やって来る可能性が非常に高いと思っている。
で、初めて真剣に考えてみている。「日本に帰るのか?」と。

やっぱり生まれた国に帰るのは嬉しい

私は香港に来てこの方いちどもホームシックにかかったこともないし、
日本に帰りたいと思ったことすら無いから、
こう改まって「帰国」という選択肢を検討するのはとても新鮮。

ちょっと想像してみただけだが、なんとなく嬉しい気もする。
日本は空気も綺麗だし、人のマナーだってずっと良い。
女性だって香港より綺麗だと思うし、レストランで飯を食うにしても、
いちいちウェイトレスに怒鳴られなくたっていいのだ。

だが、何か考え事をするとき、そうやって良い所ばっかり探しては
いとも簡単にニヤニヤし始めるのが私の悪い癖である。
幸い、3分くらいニヤニヤした頃、私は気づいた。
(さすがに私もそこに時間差で気付くくらいは成長したらしい。)

世の中、何かを得るときには必ず何かを失っているのが常であろう。
日頃ここで面白おかしく書き立ててる香港生活。
それが無くなってしまうわけだが、私は受け入れられるのか?

出張だって耐えられないのに

今のところ、答えはノーなんじゃないかと思う

思い出してみれば、日本に出張する時だって同じことである。
空港についてとんかつ屋に直行。
(油っこいモノ嫌、っていうわりに帰国したら何故かいつもとんかつ屋)
周りの女子高生に気持ち悪がられながらも、ミスドやコンビニのスイーツを
しこたま買い込んで、ホテルで幸せな夜を過ごすまではいい。

しかし、翌朝。あの地下鉄の混雑っぷりはどうであろうか。
みんな死んだような顔をして、ぎゅうぎゅう詰めの電車に乗って通勤
MTRだったら駅員が無理やり乗車する人を止めているというのに、
この国といったらその駅員がお客様を車内にぶち込んでいる始末。

田舎者の私には多分無理である、こんな生活

会社にたどり着くまでがすでに戦いだから、もうこの段階で私は
「日本に出張ですか?いいですよー。いつでも行きますよー。」
いつも軽いノリで返事をする軽薄すぎる自分を恨み始めている
… 何で私ってヤツはいつもこうも簡単に苦しみを忘れてしまうのか。

何だか堅苦しくて肩がこっちゃうのだ

そして、会社や取引先についたらついたで、気の抜けない時間が続く。
皆さん大変お行儀がよろしくて、かついろんな決まり事が
そこらに地雷のように埋め込まれていて、いちいち面倒くさいのである。

会議に出たって本当に話したい論点に漕ぎ着くまでの前置きが
異常に長かったり、意味不明な残業や飲みニケーションだったり。
細かいことを言えば、会社の中でもゴミは分別とかさ。
日本にいた時は普通にやってたことも、今の私にはストレスなのだ

これは海外が長い日本人の悪い意味での現地化の症状で、
私としてはまったくもって歓迎すべきことじゃないと思うのだけど、
(海外で日本相手に仕事するなら、日本の文化にはちゃんと適応しなきゃだし)
外資、特に緩い会社に慣れてしまったから、非常にタチが悪い。

開き直って香港推しで行きたい

しかし、言い訳ではないが、ここらへんの社会の秩序とそれの許容度、
を考えてみると、私の場合、香港スタンダードがちょうど良くなってしまった。
締める所を締めれば(締まってない時もあるけど)、他は割と適当でもいい
という、適度なアソビがそこにあるのだ。

正直、香港に来た当初の私はそのいい加減さに怒り狂っていたものだが、
今となっては、日本ほど堅苦しくもなく、中国本土やインドほど
豪快すぎないという、適当な気の抜け具合が気に入ってしまったわけ。

それにやっぱりこの香港という、活気に満ちた場所にいるという楽しさ。
もうぶっちゃけウザいくらいに元気な香港人や街行く観光客たちなのだが、
彼らの織り成す成熟しきった日本にはないフレッシュな部分がここにはある。
(逆に言うと、当たり前のことが当たり前に起こってくれない苛立ちもね

成長を続ける中国の勢いも感じることが出来るし、
アジアの国際都市として多種多様な人たちが常に行き来している。
街全体が常に成長を渇望しているのが分かるから、
全く恐れ多いことに自分も何か成長やチャンスに近い場所に
いるような気にもなってくるというのも大きい。

その分、毎日毎日嫌になるくらいのストレスを抱えることになるけど、
ポジティブに考えればそれだけ絶え間なく刺激がやってくるということ。
老後もここ香港で、なんて頼まれたって嫌なくらい忙しい街だけど、
もうしばらくはここにいて、自分がどう変わっていくか見てみたいのである。

サイトの危機、到来。

あ、そうそう。もちろん、食べ物もね。
飲茶にはじまって、私の朝のお気に入りの糯米雞や菠蘿飽にエッグタルト、
私の胃を幾度と無くいじめたのにそれでも大好きな濃厚奶茶、
まだまだ食べたことの無いB級グルメたち?だっていっぱいある。

こうして書いてみると、私のライフスタイルはやはり日本よりも
香港寄りになってしまっている感が非常に強いし、
隠れた心残りだっていっぱいあるんじゃないかと思う。

そういうわけで、先週末に申請した香港永久性居民IDが認可されて、
ひとまず香港で仕切り直せる環境ができるのことを祈るばかり。
ダメなら、「香港ライフファイル」ももはやここまで。

崖っぷちサイトになってしまったのである。(汗)

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