香港に来てついつい暴飲暴食をしてしまう旅行者達に告ぐ
私は結構乗り物に弱い方で、飛行機に乗っただけでも、
揺れが激しいと酔ったりできるという才能がある。
思い起こせば、香港に初めて遊びに来た時。
あの時に乗った飛行機でも、私は酔いに酔った。
飛行機の中でも、機内食を配達中のCAたちをかき分け、
化粧室に通っては苦しい思いをしたものだ。
それは飛行機を降りてからもしばらくの間続いたのだが、
幸いにも空港には広くてとても清潔なトイレが完備されており、
私は気持ちよく逆流作業を続けることが出来た。
香港とはなんと進んだ国であろうか。
こんな綺麗なトイレを備えているし、整備も完璧だ。
トイレにドアが無かったらどうしよう、
と思っていた自分がバカだった。
そう素直に思った。
お腹を壊したって平気、平気
やがて、私の体調も回復し、香港での楽しい時間が始まった。
街はエネルギッシュでとっても魅力的だったし、
食べ物は安い上に、本当に美味しかった。飲茶なんて涙ものだ。
ローカルの食生活も経験してみたかったから、
大牌檔でももちろん食べたし、街角でスナックを買って食べ歩いたりもした。
そんなことを続けているうちに、もともと胃腸が強いわけでもない私は、
とても分かりやすくお腹を壊すという事態に陥った。
「あの日本よりよっぽど綺麗なトイレがあるから大丈夫」
・・・バカだった。
楽しい旅行がトイレ巡行に
私はお腹を押さえながら、街を彷徨った。
というか、トイレ巡りをした。
そこらの茶餐廳は「お客以外は使用禁止」と断られるし、
公共機関のトイレに辿り着くも、そこは空港で私が目にした
空港型トイレとは似ても似つかない空間だった。
それはありえないほど汚かったし、掃除がされている気配もない。
トイレの中には清掃係と思われるおじさんが一人いるのだが、
個室でひとり魂が抜けたように物思いに耽っているのである。
空の窓口に騙された・・・。
あの立派なトイレも今となっては幻だったかのよう。
最初に魔都・香港の洗礼を浴びた瞬間だった。
結局、最寄りの大型ショッピングモールに駆け込んで、
事なきを得たのだが、それ以来、どこへ行くにも、
最寄りの空港型トイレが近くにあるか、だけが気になるようになった。
自分だけのトイレネットワークを作るべし
ここは香港。ちょっと怪しい店で食べてしまった日には
いつどこで惨事が発生するか、分からない。
行く先々で最寄りの空港型トイレがどこにあるかを
把握、データベース化しておくことは美味しい店を開拓すると
同じくらい大事なことであるし、(食べたら、出るから無関係ではない)
私は今でもこの作業を欠かさず続けている。
おすすめはやはりショッピングモール、もしくはホテルになるだろう。
ショッピングモールの場合、初心者は安易にG/Fや低層階に向かいがちだが、
ベテランは余裕の急がば回れ、である。
高層階までリフトで行って、空いたトイレを悠々と愉しむ。
ヤツラの勢力範囲は要注意
ショッピングモール、と書いてしまったが、これはちょっと注意が必要だ。
何故なら、香港は今や本土客の巣窟。
特に尖沙咀エリアは完全に彼らの支配下にあり、
そこでは空港型トイレを探すのもなかなか困難となる。
いや、厳密に言うと、空港型トイレは存在するのだが、
空港型トイレらしく使われていないのだ。
私は不幸にもオフィスが尖沙咀にあり、
しかもフェリーターミナルの近くだったりするから、
本土客の香港本部のど真ん中にいるようなもの。
日頃からそれを肌で感じているのだ。
さすがトイレに扉をつけないヤツらは格が違う
そこでは、大をしているのに扉を閉めないヤツ、
洋式なのに明らかにその上に乗って和式として使用しただろなヤツ、
おしっこするなら便器にしろや、大体この方角かなくらいの
感覚でするなや、なヤツ。こんなヤツらがザラだ。
高血圧だったら、何回も卒倒してるレベルだし、
普段は本土客に寛容な私もこの時だけは
香港人の気持ちが痛いほど分かる。
大体、個室が埋まってるっていうのに、
やっぱりここでも物思いに耽っているじいさんがいるから、
さらに怒りと脱力感は募るばかり。
しかし、トイレに入って用を足すだけまだいいだろう。
赤、緑、青は要注意
どうでもいいことだが、MTRで赤、緑、青のラインに乗る時は気をつけたい。
2007年、MTRはKCRという別の鉄道と合併を果たしたが、
この赤、緑、青というのはもともとMTRが所有してたラインで、
それ以外のEast rail lineとかWest rail lineだとかの
比較的ローカル路線は元々KCRのものだ。
この元KCR組の場合、当たり前だが駅の中にトイレがきちんとある。
空港型トイレ程のグレードの代物ではないが、きちんと案内もあるし、
アクシデントが発生した際は迷うことなく、解決できる仕組みになっている。
しかし、問題はMTRからの繰り上がり組である。
ここの駅は何をもったいぶっているか知らないが、駅にトイレがない。
いや、実際にあるのはあるのだが、いちいち駅員に聞かないと、
教えてくれないという、隠しトイレになっている。
いったい誰に対する嫌がらせなの?
トイレアプリなんてどう?
おそらく香港のトイレについて、ここまで熱く語った人も
今までいなかったんでないかと思うが、自分でも驚きだ。
トイレへの情熱が半端ではない。
ちなみに、iPhoneアプリとか作っている人に提案なんだが、
香港空港型トイレマップとか作ったらどうだろうか?
私ならお金を出したって買うと思う。
私にとっては、地球の歩き方なんかよりよっぽど重要なこと。
許留山を食べなくたって死にはしないが、トイレは死活問題だ。
ぜひとも、検討していただきたいと思う。
追記
香港毎日ローカル飯 様の情報で、そんなアプリが
既に存在していることが判明。素敵すぎ。
Toilet Rush 衝廁
Toilet Rush… アプリ名に底知れぬセンスを感じます。
情報ありがとうございました!
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