香港在住者が一時帰国中に犯しがちな6つの大罪
来週末は日本である。
香港もそりゃ楽しいけど、日本に帰れるとなれば、
それが出張だろうとやっぱり嬉しいもんである。
外国で暮らしてようと、外資で働いていようと、
根っからの日本人には変わりは無い。
日本でしか出来ないこともあるし、食べたいものもいっぱいある。
テンションも自然に上がってしまうってものだ。
ところがそんな私が帰国中、日本で暮らしている人を
「おやっ?」と驚かせるような生態を見せているらしい。
今日は恥を忍んでその数々を公開したいと思う。
乗り物の静けさに殺気を感じる
空港に降り立ったら、次は電車に乗り換える。
それに乗り込むやいなや、何か例えようのない違和感を感じ始める。
そう、誰もしゃべっていないのだ。
みんな携帯を手にとっているものの、黙々とそれをいじっているだけ。
話し声がまったく聞こえない。
まるで戒厳令でも出ているのかのごとく、あまりにも静かなので、
これには本当に恐怖に似た感覚を感じ、ちょっと挙動不審気味。
ふとした時にかかってくる電話にももちろん普通に出てしまう。
周りの冷たい視線が痛い。
なんせ香港の乗り物の中と言ったら、無法地帯である。
あれほど嫌だと思っていたオバサンの弾丸トークなのに、
いざなくなってみると不安になってしまうという大きな矛盾。
クーラー壊れてるの?
これもそうだ。
日頃は香港であれだけ虐待を受けているクーラー。
もう無い物ねだりもよいとこだが、「ちょっと、やる気あんの?」と
苦情起こしたくなるくらい、日本ではクーラーが緩いんである。
これだけで私の個人的な不快指数は軽々と上がっていく。
百歩譲ってプライベートな時間は良いとしても、
オフィスは本当にもうちょっと香港からの出張者のことを考えて欲しい。
大事なお客さんの前で薄着にはなれない。
日本で暮らしている人はそれが当たり前だから、
涼しそうな顔しているのだが、私なんかは
プレゼン前から二、三発殴られたような顔をしている。
お茶に難癖をつけたがる
香港とは食に関する部分では奇妙な発展を遂げたところで、
ローカライズされた食べ物、飲み物が本当に、
「どこでどう間違ったら、そういう風になっちゃったわけ?」
と真顔で聞きたくなるようなものが多い。
お茶だってそうである。
普通に宗主国から輸入したお茶を上品に味わえば良かったものを
何をどう考えたのか、えらいアレンジを加えているわけである。
もっと困ったことは、それに私も慣れてしまったことだ。
日本でレモンティーでも頼もうものなら、
飲む前から「この薄切りのレモンで何しろっていうのか」と苛立ちはじめ、
ありえないくらいにレモンをガシガシしながら飲み始めるもんだから、
せっかくだからと思って、張り切ってオシャレなカフェに
連れてきてくれた友達は、「えっ?大丈夫?」と心配を始める。
全然大丈夫ではない。
ミルクティーだってそうだ。
大げさに茶葉二倍とか言うけれど、こんなの水みたいなもんである。
私はもっとガツンと来るものが飲みたいのだ。
もはや質の悪い末期の薬物依存者のような生き物である。
細かいことはいいから釣りを渡せ
普段、あまりにも無骨に物を売ってもらったりしているせいか、
日本での販売員の対応が非常にうざったく感じるのである。
ポイントカードとか持ってないよ。
いや、作らなくていいよ。
それもそんな丁寧に包まなくていいから。
いつ頃食べるかとか関係ないでしょ。
そして、あなた、なんでそんなに喋るの?
もうツッコミどころが満載である。
私がしたいことは、物を買いたくて、そのためにはお金が必要で、
でもきっちりとは払えないからお釣りをもらうことだけである。
他のことはどうでもいいし、聞かれたくない。
とにかくさっさとやって欲しいのだ。
別に帰ってもすることないし、急ぐ理由も無いんだけど。
理由が無いのに急ぐ。香港人のサガである。
自動販売機が恋しいよ、まったく。
エレベーターではがっちり右側をキープ
空港近辺でエレベーターに乗った時、涼しい顔をしながら、
大きなバッグとともに右側に立ち、急ぐ人たちを阻害していたら、
香港人である可能性が高いかもしれない。
私は実家が西なので、関空の時はこの問題からは開放されるのだが、
出張の時にはそうは行かない。左が基本で、急ぐ人が右なのだ。
そういえば、日本から来る旅行者からの感想を聞いてみても、
香港は大阪と同じ匂いがする、という人がいるが、そんなもんだろうか。
確かに人は多いが、東京のように洗練されてはいないし、(大阪に失礼)
街の雰囲気、人に愛嬌があるところもちょっと似ているのかもしれない。
お金はちゃんと持って帰ろう
これは私だけなのかもしれないが、香港から日本なんてたかだか4時間。
しかも母国に帰るわけだから、お金に困ったってどうにかなる、
と高をくくって、現金をあんまり持たずに帰ることが多い。
(なんせオクトパスで何でもOKの生活に慣れてるし)
実際、まさにそうなんだが、ある時100香港ドルしか現金を持たずに
日本に飛び立った際、台風の影響で台北に強制着陸→そのまま一泊。
という憂き目にあったことがある。
どこの郊外のホテルなんだか、航空会社のアレンジしたところに
バスで連行され、そこで一泊することに。
郊外過ぎて、クレジットカードなんて使える雰囲気ではまったくない。
初の台湾旅行はセブン-イレブンでディナー
予定外の台湾旅行になったわけで、夜市にでも繰り出して、
この機会を満喫するべし、と思ったところで財布の中には
100香港ドルだけである。
私のその日の食事はホテルのそばのセブン-イレブンで
台湾風味の蕎麦を買って終了。
翌朝早々にはまたまた空港に連行されて、そのまま台湾とはお別れである。
私にとって、初めて、そして今のところ最後の台湾旅行である。
私の中の台湾食といえば、セブン-イレブンになってしまった。
振って湧いたラッキー旅行だったにしても、お粗末過ぎて情けない。
この時ばかりは神様を本当に恨んだ。(無宗教なのに)
そういうわけで、日本行きと言えども、海外旅行である。
何が起こるか分からない。多少の現金は確保して、飛行機に乗ろう。
(説得力があるだろう?)
香港人化は止まらない
こうやって目に見える形で書くと、私が香港生活をする上で、
どんどん香港人化していることが分かる。
他にも、食事の時に食べかすをお皿の上じゃなくって、
テーブルの上にどんどん散らかすから母が激怒したり、
ティッシュが香港のものより薄すぎてストレスだったり、
細かいことを言えばキリがない。
こんなブログで香港の人たちを面白おかしくかき立てている場合ではない。
そういえば、香港に来た頃は、重慶大厦の前を通る度に
「にっせもっのぉ、ろっれくすぅ〜!」とインド人に
うざいくらい声をかけられてたのに最近では側を通っても無反応だ。
これはある意味、日本人として危機的状況にあると思って間違いない。
そんな日本人が来週、東京に帰る。
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