香港男子たるものロマンチックであれ!

長州島

「あのさ、今度彼女と一緒にシンガポール行くんだけどその時にプロポーズするんだ。」
目の前の鶏扒の皮を器用にナイフとフォークで避けながら香港人の同僚は呟いた。

私の方には特段の驚きはなかった。
仲が良いにも関わらず、最近は付き合いが随分と悪かったし、何かと忙しそうにしていた。
年齢的にも30を過ぎてそろそろ落ち着きたい年頃である。

友人の結婚(まだ受諾されるかも不明だが)は素直に嬉しかったし、私も祝福の言葉を投げかけた。

普段はあんなにクールなのに

彼の呟きは続く。

「プロポーズする場所はどこがいいだろう。」的な一般的な問題から始まって、
「実はさ、今いろいろ録音してるんだ。本当は絵を書こうかと思っていたんだけど、
iPadの調子が・・・(以下、何を喋っていたのかもはや不明)」

ヤツはヤツなりに迷いや緊張があったから、それを打ち明けたかったのかもしれない。
しかし、あまりにも予想外すぎる言葉たちが止めどなく溢れ出る彼の口元を見つめたまま、
テーブルの上の料理を楽しむのを忘れるくらいに呆気にとられてしまった。

何せいつもの私たちと言ったら、仕事のこと、プライベートのこと、出てくる料理のことに始まり
おおよそ覚めた意見を交わす間柄であり、ロマンチックなプロポーズの方法という類の
いわゆる暖色系の会話が入り込む余地がなかったように私は記憶している。

それがいきなりこの体である。
この男にそんなデリケートな思考回路がインプットされていた事自体がまるで
2015年最大の発見のようであったし、大体、録音って何をどうレコーディングしているのであろうか。
来週のイベントローンチに向けてただでさえ仕事の疲れがピークな私は目が回りそうになってしまった。

覚醒した時のギャップがすごい

香港人っていうのはまったく極端である。

普段街を歩いていて、私が気を思わず気を留めてしまう素敵スポット、おしゃれアイテムには
まったく無関心かのように足を止めずに歩き去ってしまうから、常々彼らのそういうものに対する
感受性はあんまり豊かでないのだろう(あるいは単純に忙しすぎる)と思っている。

しかし、特定のイベントに対しては「その情熱はいつもどこに眠ってるの?」と言いたくなるくらい
熱くなるのがこの人種。それはもはや覚醒と言っても良いだろう。

クリスマス、バレンタイン、誕生日、等々。彼らが一年を通してどれだけのイベントに対して
覚醒しているのかは全く定かではないが、ひとたびそれが始まれば「港女を喜ばせるべし」という
DNAに深く刻み込まれた本能が発動し、日本人である私なら恥ずかしくてちょっと出来ないかも、
という具合のストレートかつ盛大なお祭りを実行するべく真剣な顔をして悩み始める。

冒頭の彼には「日本人って奥さんに全部給料とられちゃうんでしょ?地獄だね。」と
笑顔で何度と無く皮肉を言われているが、私にしてみればそういう健気な香港男子たちの生き様の方が
よっぽどハードルが高いような気がしているがいかがであろうか。

 一年越しの結婚式がいろんな意味で楽しみ

ともあれ。
彼がシンガポールで一体全体どんなプロポーズを繰り広げてくるのかは見当もつかない。
とりあえず、10年くらい前、マリーナ・ベイ・サンズなんかが出来る前に
旅行でシンガポールに行ったことがある私も
「動物園がでっかいよ。」
という非常に有益なアドバイスをしておいた。

彼女が首を縦にふることしか想定していない彼は「結婚式の利是のために貯金をしておけ」と豪語する。
しかし、その結婚式ってヤツもさぞかし大変なんじゃなかろうか。
ここ香港で、さぁ結婚式をしようと思っても、それはきっと一年後のお話。
それまでああでもない、こうでもない、と港女のために延々と苦心をする毎日なのである。

そういえば、以前私たち二人が共通の友人の結婚式に招かれた時、
その友人がハネムーンから帰ってきたときに言われたっけ。
「お前ら、お色直し終わったら帰ってただろ。」って。

まさかあそこで終わりじゃなかったなんて、今でも信じられない凝りに凝った結婚式だったのである。

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