隣の芝は何とやらな香港からの出張者

出張が決定した。

と言っても、東京への出張だから、別にとりたてて珍しい事でも
ないのだが、問題はその期間にあるのである。
なんと、おおよそ2ヶ月近く、日本に滞在することになっている。

これはもう、ちょっとお客さんに会いに行ってくるというより、
私にとっては擬似一時帰国のようなものであり、
こんなに長く香港を離れることは初めてだから、心中複雑である。

 立派な食計画立てるくせに

この話が決まって、真っ先に浮かんだのはやはり食べ物のこと。
大変私らしいことであるが、東京は何を食べても美味しいし、仕方がない。
香港ではなかなか出会えない、細かいところにこだわった繊細な味
そこにはあるし、香港の茶餐廳のような「私、いつ刑務所に入ったっけ?」
的なぶっかけご飯も出てくる心配もしなくて良いだろう。

しかしまぁ、だいたいこういうのは行く前までの想像がめちゃくちゃ
楽しいのであって、出張中の私なんて疲れてきってしまって、
休日も結構出不精になっちゃってる場合が多い。

スイーツなんかも、テレビに出てくるようなところに行かなくても、
そこらのコンビニスイーツで心が既に踊っちゃっているし、
ミスドなんか選ぶのが楽しすぎて毎回袋いっぱいに買って帰るのは
良いのだが、一個目食べ終わるくらいにはだいたい飽きてしまって
次の日の朝は惰性でドーナツを冷めた顔で食べるような食生活。
そういう残念な人なのである、私というヤツは。

まぁ、食のことはどうでもいい。
質はともあれ、何かしら食ってれば死ぬこともあるまい。

 母国に帰るというのに

正直に言うと、自分の母国に帰るというのに、私の心のなかは
何故かアウェーな場所に行くという感覚と不安も若干存在している。
それは目的地が「東京」であることも関係しているかもしれない。

「生まれはどこ?」と聞かれれば「横浜」と答える私であるが、
心中の大半は見栄であって、実のところは生後3ヶ月で引っ越ししている。
テクニカル的には横浜の病院で生まれてはいるが、
私からはハマっ子らしさは全く感じられないだろう。

それよりも、生後間もなく引っ越し、人生の半分を過ごした、
西日本各所の野暮ったさの方が色濃く出ている人間である。
であるから、東京なんて場所は到底ガラに合わない
そういう私の背景が自然と大都会、東京に対する不安を
抱かせているのかもしれないとも考えられる。

しかし、私は現在進行形で香港市民でもある。
人口でも近代的な街並みでも東京に引けをとらないし、
密度だけで言えば、香港の方が上であるから、
曲がりなりにも都会生活を送っているとも言える。

 香港ナイズされ過ぎなんでは

そう考えてくると、もう私が東京ではなくて、香港を
私の西日本に次ぐ第二の故郷と認識し始めていて、
「香港ライフファイル」でブツブツ言いながらも、
何だかんだ居心地がよくなりすぎてる、ということかもしれない。

以前にも少し書いてはいたが、香港社会っていうのは、
全般的にキツすぎなく、また緩すぎない適度な遊びがあるから、
私はその広い懐で自由に動きまわるのに慣れすぎたということ。

その点、東京に行くと、あちこちにルールや社会の暗黙の了解
あって、それにちょっとでも抵触してしまうと、周囲が速やかに
拒絶反応を起こす仕組みが出来上がっている。

例えば、香港に居住されてる方たちが日本に帰った時に
口を揃えるのが子供連れの際の両国の反応の違い。
比較的どこに行くにも自由にベビーカーが使えて、
周りもそれを良しとする香港に比べて、日本では明らかに
それを迷惑として態度に出す人が多いそうな。

お互いに迷惑をかけないことを目的に、そしてみんなが快適に
過ごすことを思って作られたルールや常識が多い日本なんだけど、
時として逆にそれに縛られて苦しくなってしまうことも。

そういう社会の決まりをきちんと認識した上で、
自分も当然それをしっかり遵守、そして他人にもそれを期待する、
ことが出来る人には心地よいのかもしれないが、私のような
もともと緩くて、香港に行って(だからこそ引き寄せられたんだろ)
いよいよそれが正当化された人間にとって
この東京ルールというのはなかなかの強敵である。

香港人の中にも、日本に留学する人は多いのだけど、
そのまま日本に残って就職する学生というのは
それほど割合的には多くないそうだ。これも理解に難くない。

 私の脳裏にはあのおばちゃんたちが鮮明に存在するわけ

こんなに書いといて何だが、東京というところは
やはりアジアを代表する先進都市だし、私もちょっとよそ者感を
感じてしまうだけであって、別に嫌いなわけではない。

特にサービスを享受する立場で過ごす時間は、
「あぁ、やっぱ香港と違って、全然洗練されてるわ。」
と、一流のサービスを味わい、至福の時を楽しんでいる。

しかしながら、レストランで召使のように働くウェイトレスたち、
(別にそっち系のカフェに行ってるわけではない)
それから、とっても訓練された挨拶をするコンビニ店員、
カルティエで指輪でも買ったかな、と思うような対応をする
スーパーのレジ打ちパートさんたち。
それより何より、東京でお客さんと会っている自分の姿
目の当たりにするとすかさず「日本人ってマジ大変だわ」、
と老婆心ながらに思ってしまうのである。

何せ、そんな私の脳裏には、香港で仲良くなってしまった
ケアフリー過ぎる茶餐廳のおばちゃんたちや、
私がいつも買うヨーグルトが破れてこぼれ出てしまうくらい
ガサツに袋づめしてくれるParkn’ Shopの店員たちが
踊っているわけであるから、仕方がないのである。

同じアジア、それも隣国でありながら、この隔世の感は何であろう。

しかし、私も、香港に住めば不満をこぼし、東京に行くなら行くで
不安を叫ぶという非常に難儀な性格をしているものである。
そんな隣の芝は何とやらの王道を行く「香港ライフファイル」は、
9月後半からしばらく「東京ライフファイル」になる予定。

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