[番外編]東チベット一人旅 Vol.6 – 黄金色の祠と天葬台

今回の記事は私の実弟が書いたもの。
彼のことは以前の記事でも書いたけど、そんな彼が年末、中国はチベットを訪れた。
文章も上手だと思うし、何よりいつもながらに面白そうな旅行先なので
彼のFacebookのタイムラインに眠らせておくのはもったいない。

ということで、ここにもポストしてみる。
ご興味がある方がいればぜひ読んでみて欲しい。
同じ中国でも香港とチベットで見える景色が全然違うから面白いのだ。

バックナンバーはこちら:
[番外編]東チベット一人旅 Vol.1 – 1日目(12月27日)
[番外編]東チベット一人旅 Vol.2 – 標高3,000mを超える世界
[番外編]東チベット一人旅 Vol.3 – 色達
[番外編]東チベット一人旅 Vol.4 – ラルンガルゴンパ(五明佛学院)
[番外編]東チベット一人旅 Vol.5 – そして天葬台へ

—————

ミニバスに乗り込むと後部座席には5人の女性が乗っていたが
幸いにも助手席が空いていたため、速やかにそこに座席を確保する。
すぐ後ろには英語の話せる同年代の中国人女性。
その隣には彼女の美人な妹。
更に後ろの席にはチベタン女性3人と言った具合だ。

冷静に考えると天葬台に向かうのにミニバスが山頂に来ること自体がおかしなことだ。
その理由を問うと、ラルンガルゴンパに住まうチベタンは毎日山頂にある
黄金色の祠に参拝に来るのを日課としているらしく、
後部座席に乗るチベタン女性のためにミニバスはそこに行っているとのことだった。

宿とその黄金色をした祠は目と鼻の先ほどしか離れていないため、すぐに到着した。
そこで一端降車する。
運転手の意向を中国人女性が英語に翻訳してくれた。
どうやら12時30分までここで客待ちをするとのことだ。
先ほど乗っていたチベタン女性3人は天葬台へは向かわないため空席が出来る。
ミニバスをいっぱいにするためにあと4人の新たな乗客を探すと言うのだ。
乗客が多くなればそれだけ儲けが増えるわけなので、運転手の主張は至極当然だ。

中国人姉妹と黄金色をした祠を参拝することにした。
この黄金色の祠には四方にマニ車が取り付けられている。
人々は黄金色の祠の周りを時計回りに回りながらマニ車を回していく。

東チベット
平日昼間というのに大した数の人たちだ。
中国人姉妹が1周すれば利益が得られるが、
3周すれば更にご利益が得られるとのことで3周した。

祠の2階は回廊が備えられており、この回廊も人々が
数珠を手に念仏を唱えながら回っていた。
当然の如く、我々も3周した。
その間、中国人姉妹と他愛もない世間話を切れもせず話し続けた。

間もなく時刻は12時30分。
再びミニバスのもとへ向かうと、時同じくして中国人観光客が4人やってきた。
年齢層は皆30代といったところだろうか。
運転手も遅れて戻ってきて天葬台へ向けて再度出発することとなった。

街中の道は1車線分しかないにも関わらず、強引に車を往来させている。
対向車に出くわす度にクラクションを鳴らし威嚇をしあう。
どちらかの車が根負けして道を譲るわけだが、
その車を交わすのにも薄皮一枚で接触を回避するような具合で、
乗客の我々は固唾を飲んで見守るしかない。

ようやく道路幅員が広くなった頃にはラルンガルゴンパの出口付近まで達していた。
それにしても見事なまでに街中がえんじ色としている。
何度見てもこの風景には溜息が出てしまう。

東チベット
ミニバスは今朝、色達から来た未舗装の道へ入った。
一体どこに天葬台があるのだろうか。
車内は中国人6人。
まるで皆が旧来の友人であるかのようにひっきりなしに会話が飛び交う。
天葬台へ向かうというのに緊張感を一寸たりとも感じさせない。

未舗装の砂利道はもうしばらく続くと思っていた矢先、ミニバスは路肩に乗り上げた。
停車をするのかと思いきやあらぬ方向に舗装された道路が出現した。
色達とラルンガルゴンパとを結ぶ生活道路が舗装されていないにも関わらず、
そこから分岐する道路が見事なまでに舗装がされているとはどういうことだろうか。

木の生えていない稜線の綺麗な丘陵を道路は駆け上がっていく。
5分ほど走ったところで様子が変わってきた。
進行方向左手に谷を挟んで異様なモニュメントが出現した。

ラルンガルゴンパを目にした時とは明らかに異なる趣の衝撃が走った。
写真を撮っていないのだが、上手く言葉で描写をしようと試みるも
この種の構造物を目に掛けたことが無いので例えようがない。
天葬のイメージとは明らかにかけ離れたそれはテーマパークの様な調子で整備がされているのだ。

まず目に映るのが動物園の猿山のようなオブジェだ。
まだ建設されてから間もないようで肌が青々としている。
山は複数あり頂が心なしか尖っているため険しい山々を表現しているのであろう。
その山の模型の一群の中に抜きんでて大きな山の麓には
閻魔様のよう顔が描かれ口の中は祭壇となっている様に伺える。
その付近に大きな白いチョルテン(チベットの祠)が見え、
さらにその隣に頭蓋骨の装飾を施している白い建物上のオブジェが建っている。

それらチョルテンを除く構造物のリアリティが著しく欠けている為、
不謹慎極まりないのだが、どうにもこうにもテーマパークという比喩を用いらざるを得ない。
そのテーマパーク然とした一連の構造物群の周囲は
緑色のネットで覆われた大きな建物の建設現場があり、
この天葬台を今後如何にして整備するのか些か懐疑の念を抱かざるを得ない。

車内も騒然と言うよりも、どこか乾いた笑いに溢れていた。
どのような心持で天葬に立ち会えばいいのか、心中が思わぬ方向に揺さぶられてしまった。
ミニバスは谷を迂回し、そのテーマパーク然とした天葬台に到着した。

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