[番外編]日本一人口の少ない鳥取県をちょっとだけ紹介してみる

はじめに断っておくが、今回だけは香港と全く関係ないネタ。

今週一週間、私は親が定住先にしてしまった鳥取という場所で
(厳密に言うと、鳥取県の中でもかなり田舎の方だ)
田舎暮らしを満喫したので、皆さんもそうそう行くことも
ないところだろうし、ご参考までに記事にしてみたいと思う。

故郷話にまったく花が咲かない

香港でも、日本でも「ご出身はどちらですか?」というトークは、
会話の発端として多用される社交ネタであり、
そこから話も弾んで行く場合も多いが、「鳥取」と答えた場合、
相手の顔が凍りつくことはあっても、話が広がることはありえない

幸い知っている人でも、せいぜい「あ、あの砂がある・・・?」
程度の会話でひどい人になると「い、出雲大社?」。

それは隣の島根県である。
他県の人にとっては、まったくもってどうでもいいことだが、
鳥取と島根は同じマイナー県としてライバル意識が強い。
熾烈な人口最下位争いを繰り広げているのだ)
ここを間違えてしまうと、彼らにとってはそりゃどえりゃーことである。

国際線より高い国内線?

いずれにしても、ふるさとトークについては、
鳥取と答えると、後が続かないので、聞かれたこっちのほうが
何か罪悪感を感じてしまい、別ネタを振るのに苦心してしまう

まぁ、知らなくて当然である。
香港の3倍も面積があるのに、総人口はたったの57万人
不動の「日本で一番人口が少ない県」なのだ。

ちなみに、交通の面を見てみても、お世辞にも褒められたものではない。
新幹線が通っていないにうえに、空も市場競争があまり働いておらず、
季節によっては、香港から日本に帰ってくる航空券より、
羽田から鳥取に飛ぶもの方が高価だったりする。

北海道や沖縄ならまだ分かるが、国内の一都市に飛ぶのにこれでは
そんな金があったら東京に残って遊ぶか、
香港から北海道や沖縄への直通便に乗る事を考える方が自然だろう。

ただ、最近はスカイマークの参入でかなり格安でアクセスできるし、
スーパーはくと等の電車で田園風景を楽しみながら、
鳥取に向かうというのも意外に悪くない旅である。

田舎暮らしというラグジュアリー

ここまで読み進めると、鳥取ってのはまるで良いとこ無し、
と思うかもしれないが、そうでもない。

香港でのめまぐるしい生活からは想像もできない、
時が止まったようにゆっくり流れる時間
都会生活で疲れたものにとっては最高のラグジュアリーである。

私は普段、香港国際空港に近い場所に住んでいるから、
飛行機だって分刻みで頭上を通るし、騒音もすごいのだが、
ここはまさに静寂の世界でポカポカ陽気の中、
ウグイスの優雅な声があちこちに聞かれる

うちの母親なんかは人が多いところじゃないと不安になる、
静かすぎるところが逆に怖い、という奇特な性格だから、
ブツブツ不満もいうようだが、私にとっては、
年に数度だけのこの上ないリラクゼーションに変わりはない。

ありあまる土地は豊かな生活を実現

先に書いたが、鳥取県は広い割に人がまったくいない。
人口密度も低い=人気も無いので、土地も必然的に安くなる。
そんな豊富な土地があるからこそ、人々の生活も豊かだ。

ここでいう豊かさとは、都会でプール付きの高級マンションを
買ったり、ラグジュアリーなファッションに身を包むことでもない。
そういうマテリアルなものでなくて、人々の心の豊かさを指す。

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祖父宅。家の裏山にはシャクナゲが咲き誇る。

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昔話に出てきそうな小屋。ここで自家製豆腐や味噌が作られる。

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何もない田園風景でも美しい。

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小川に架かった簡単な橋。
小さい頃は微動だにしなかったのに、今じゃ揺れに揺れる・・・。

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今回の帰省でずっと私と遊んでくれたゴンちゃん。
猫のようにプライドが高くて、気分が乗ったときしか遊んでくれない。
同じワンちゃんでも、こんな広い野原を駆け巡れる彼は幸せもの。
香港じゃ、こんな自由な生活は絶対おくれない。

超健康志向な食生活

私がまだ10代、20代だったころはまったく魅力的には感じなかったが、
ここ鳥取、食の方も非常に豊かなものである。

肥沃な土地から採れる米、野菜はもちろん、世界的に有名な20世紀梨。
大山、蒜山では多くの乳牛が飼育されているし、
境港や賀露港から水揚げされる魚介類も大変美味だ。

それから、ちょっと山に入れば、山菜だってすぐに見つかるし、
そんな新鮮で健康的な素材が毎日の食卓を賑わす。

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裏山にはワラビやゼンマイ等の山菜があちこちに。

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国産タケノコ。小さいころのが柔らかくて美味しい。

これらの山の恵みがすぐに食卓へ。

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和、ですな。

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右はタラの芽の天ぷら。
高級食材が家の裏に勝手に生えてくれるんだから、食べない手はない。

油や化学調味料がたっぷり盛られた料理を食べる生活と、
毎日こんなにシンプルで美味しい自然の恵みを味わう生活。
どちらが豊かな生活かなんて疑問自体がバカバカしくなってくる

スタバはないけど・・・のあれ

今回の東京出張では「鳥取に帰省する」といった際に、
いままでとまったく違う反応を見た。
多くのお客さんが砂丘ではなく、あるトピックで
鳥取トークに少し花を咲かせてくれたのである。

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そう、「スタバはないけど、すなばはある。」の「すなば珈琲」である。

スタバがない時点で残念を通り越して、哀れにも感じてしまう鳥取だが、
地元企業が奮起して「すなば珈琲」なるものを作っている。

鳥取にある物や人で話題になることなんて滅多にないから、
暇だった私は興味本位で足を運んでみたのだが、
入り口からして少し心配するような門構えである。日通の社員食堂?

そして、中に入ると圧巻の光景が広がる。
スタバはないけど・・・の売り文句から、スタバを模倣したような
コピーカフェを想像していたのだが、まったくの別路線。

スタバの「ス」の字も想起することができない。
超地元密着型で、店のすべてが鳥取色で染まりきっていて、
洗練されたライフスタイルというイメージで売るスタバに対して、
こちらはむしろ「サテン」という言葉でしか形容できない
(若い方々はサテンって言葉すら知らないかも?)

このカフェをスタバの対抗馬に大抜擢した鳥取県知事・平井氏にも
かなりビックリさせられるが、まったくスタバを意識しないという、
「すなば珈琲」の我が道をひたすら走る潔さもまた仰天ものである。

完全に評判がひとり歩きしまくっている感の強い
「すなば珈琲」であるが、今後も鳥取の貴重なトピックとして、
鳥取ローカル道を突っ走っていただきたい。

こんなスローライフも選択肢

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香港人と旅行の話をすると最後は、「定年後はどこに住みたい?」
みたいな話になって、「私はタイに行ってゆっくり暮らすの」とか
言うやつが必ず出てくる。

そんなとき、私はいつも、一週間もすりゃ、
「セブン-イレブンはどこだ。」「携帯の電波が届かない!」
だので気が狂うくせに、とか冷ややかに思ってしまうのだが、
旅行ベースだったら、きっとこの鳥取なんかも良いところだと思う。

ここでの生活はおおよそ香港での生活とはまったく違うものだし、
今までしたことのないような経験だってできるだろう。
田植えや畑仕事だって、彼らにとっては楽しみかもしれない。

私はというと、生まれも育ちも鳥取ではないのだけど、
定年後にここで過ごすのも悪くないと思っている。
知り合いは最近、うちの近辺に家を建てた。

定年後はここで
「ソファーに座って、大山を眺めながら、毎日本を読んで暮らす」
とのことである。

なんと贅沢な生活なことか。

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人の価値観は本当にそれぞれである。
田舎で育った人はみな都会に憧れ、取り憑かれたように街へと旅立つし、
都会で疲弊してしまった人たちは逆に農村への逃避行を胸に秘める。

人間なんて所詮ないものねだりの動物なんだが、
香港で忙しく働き、ジャンキーな食べ物、汚れた空気に塗れた生活
をする私にとっては、ここでの生活はやはり
究極にラグジュアリーに思えるし、いつでも戻れる場所として
いつまでもこのままあって欲しいと思っている。

私もちょっと歳とったかな。

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コメント

  1. HKLFさんの記事では、知らない事・気付けなかった事をいつも教えて頂けます。でも、今回の記事は、なんだか身近なことばかり。(笑)
    ・・・現在の住所からクルマで20分ほど北へ走れば、おじいさまのお宅と同じ家々が今でも現役で並ぶ集落です。また、僕自身が山出身なので、実家へ行くと中~高校生くらいまでは牛小屋やヤギ小屋や養蚕小屋で藁の香りに包まれて過ごすのが好きだったりしました。川遊びに行く途中の畑でもぎ取った西瓜や胡瓜を清流で冷やして泳ぎつつかじるのも日常。(これは今でもかな)・・・もう少し遡れば、山中の炭焼き小屋へ付いて行ったものです。
    今でも森の香りにひきつけられるのは、幼少体験が影響しています。ほんとおっしゃるように、こういう場所でのひとときって贅沢ですよね。先週も法事で実家へ向かいましたが、無条件で落ち着きます。

    • HKLF

      あれ、こえださんもそっち側の人ですか?(どっち側、笑)
      私はおそらく都会で忙しく生きるよりも、田舎でのんびり自然と親しむほうが
      性分にあっているようで、何も無いところのほうが逆に贅沢に感じます。

      これもおそらく隣の芝はなんとやら、なのかもしれませんが、
      歳をとったときには香港は本当に住めないのかなーと思いますよ。

      こえださんがいつでもそんな環境にアクセスできること、
      ほんとうに羨ましく思います!

  2. 初めてコメントさせて頂きます。
    はじめの方から読ませて頂いて、とても共感できて、笑えました(笑)

    私も香港にいる間に実家が愛媛に移りました。
    生まれも育ちも愛媛じゃないですが(笑)
    4月に新実家に行きましたが、こんな大都会にいると、空気美味しい、野菜美味しい、癒されるなーと思いました。

    今はまだ、香港で働かなきゃいけないからこそ、そう思うんでしょうけどね!

    • HKLF

      mikittyさん、はじめまして。

      こんなヤサグレたブログですが、楽しんでいただけて何よりです。

      私もやはり実家に行くと、すごく落ち着くというか、あの止まったような時間の流れが癖になりそうな気がしてくるのですが、一週間もいるとだんだん飽きてきて、しまいには親には「まだいたの?」と言われるような始末なので、仰るとおり都会いるからこその隣の芝はなんとやら、なんだと思って、香港で頑張ることにしています。笑

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