我要請印尼人

長洲島

ひょんなことから、とある南アジアの案件を受け持つこととなった。
最近、日本関係のプロジェクトに偏りになりがちだった私にとっては嬉しい変化でもあり、
聞くところによると、かなり案件が頓挫してからのバトンタッチらしく
なかなかチャレンジングで責任も大きいものだから、社畜リーマン魂の見せ所でもある。

ということで、現在リクルートの真っ最中なのだが、これがなかなかに面白い。
そもそも海外で人様の面接をするということ自体、予想外のハプニングの宝庫のようなものだけど
(もちろん、やってる最中はこっちも死活問題だからまったく笑えない・・・)
普段あんまり接点の無い国の人とそういう場を持つというのは
まさに国際都市・香港で働くことを実感できる瞬間であるとも言えると思う。

例えば、ざっと会社の説明と一般的な問答が終わった後の「何か質問はありますか?」に対して

「あ、あの、仕事のことは良いんですけど、一日に5回ほどお祈りの時間をもらえますか?」

とか。
そういうことを真面目な顔をして聞いてこられるのが何とも新鮮である。
そして、「え、何それ。面白そうじゃん。専用ルームとかも用意した方がいいのかしら。」
なんて妄想にふける私を横目に身内の香港人同僚の事後談話もなかなかに興味深い。

「ええ?5回も抜けるとか。業務上支障が出るやんか。」

私に言わせれば「いや、あんたの方がよっぽど仕事中に行方不明になる回数多いじゃん。」なのだが
そこらへんは「ちょっと小腹が空いたから」「タバコを吸いに・・・(尚、非喫煙者)」
と、とことん自分に甘い人たちなので、敢えて追求はしない方が面倒も少ない。

その後も、
「断食をするシーズンが・・・」
香港人「食べることが俺の唯一のエンターテイメントなのに信じられん・・・」

「豚肉はやっぱり・・・」
香港人「あいつとは絶対一緒に飲茶行かれへんなぁ。悪いけど、俺はオフィスでも
気にせず豚肉入りの弁当食うよ。うちのおかん、いつも排骨入れよるし。」

なんていう、ストイックな宗教観 vs どこまで行っても世俗的なお気楽地元民の構図を
ちょっと引いた場所から眺めることもできたりして、なかなかに愉快である。

ちなみに。
今日も大した収穫も無しかしら、と思っていた頃に来た最後の面接者のことについても書いておく。
レセプションスタッフの「ねぇ、HKLFさん。日本人の人が来てるみたいよ。」のコールで
駆けつけてみればやはりおおよそ南アジアらしからぬ顔立ちの人が私を待っていた。

そんなアポは無かったはず、とは思いつつも簡単な挨拶を投げかけてみれば、
私が日本人だと分かるなり

「まぁ、私には日本人の血が混じっているの。あなたの国がアジアを征服したことがあったでしょ?
その時にいろいろあって、私には日本人の祖先がいるの!」

いったいぜんたい、面接を受けに来るにあたってそういうことを面接官に言うこと自体が
妥当かどうかは一旦置いておいて、ともかくも彼女はネガティブな意味を含まない笑顔だった。

彼女はもしかしたら心優しい日本人兵士と現地女性とのスイートな恋から生まれた人かも
しれなかったし、やっぱりとても悲劇的なバックグラウンドを持っているのかもしれないけれど
こうやって目の前に戦争の面影が形を持って現れ、しかもそれを自分で私に直接告げてきたわけで、
そしてあまりに突然起こった出来事に、しばらく何と答えていいのか分からなくなった。

でも、こういうドキッとするような体験もこの香港ならではかもしれない。
「俺のじーちゃんはな、深センのとの国境を泳いで密入国したんだw」って、
爆笑しながら祖父の武勇伝を私に語ってくる香港人だって身近にいるし、
幼い頃から反日教育を叩きこまれ、共産党のエンドースのもとに香港にやってきた大陸人たちもいる。

特に後者なんて、出会った時から「この人と仲良くなることは未来永劫不可能だろう。」
そう思ってしまうほどの一生かけても埋められない溝を感じることもしばしば。
そういう意味では、何となく日本と似たような文明を持つこの街だけど明らかに海外であって
それなりの難しさを痛感させられる瞬間も少なくないとも言える。

噂によると、最近の若者は「海外なんかで生活したくない。」という人が多いそうだけれど、
私が今もう一回人生やり直すとしてもやっぱり海外には出てみるような気がする。
(でも、香港は家賃と物価が高くなりすぎちゃったから、他の国にするかもしんないけどね、笑)

私みたいに永久ビザをとっちゃうほど長居する必要はないけれど、
自分の常識が通じないところでしばらく時間を過ごしてみることもとても大事だと思うし、
そこで苦労を重ねるうちに今まで見えなかった日本の良さにも気づいてみたり
日本に持って帰ることのできる海外の知恵も見つかることもあるような気もするから。

ま、何だかんだ言って結局は向き不向きもあるのだろうし、
本当に出るべき人は誰かが止めたって飛び出しちゃうんだろうけど。
そんな若者たちが今後も香港に来てくれることを願っている。

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