写真で見る香港・長州島へのお手軽逃避行

久しぶりに完全にフリーな土曜日を手に入れた私。

さて、何をしようか。
仕事から離れて、少しゆっくりしたい。

… ここが香港の弱いところだと思う。

お金を使って、買い物だのクラブだの、マテリアルな余興に走るなら、
こんなに便利で楽しい都市もそうそうないと思うが、
私のように時に無性にピースフルな瞬間を欲す人間にとっては
こういうところが無い物ねだりの不満の種になる。

そうした欲望を満たすために旅行というものが存在して、
実際香港市民も相当の頻度で旅にでるのではあるが、
そうそう簡単に長期休みを申請できるものでもない。

そこで白羽の矢が立つのが香港周辺の離島群である。
今回、私もそのうちのひとつ、長州島というところに
一時の逃避行を目論見、旅だったのだった。

ぶらり一人旅。
ともに旅だったのはカメラと50mmレンズ一本だけ。
カール・ツァイスのMakro-Planar T* 2/50。
ピントも手動でアナログなところがこの旅にはピッタリである。

今回は、これで撮った写真を中心にみなさんを
長州島に簡単にご案内してみたい。


まずは場所から。
離島といっても、セントラル埠頭(pier5)から高速船なら30分ちょっと、
普通船なら1時間弱程度。しばしの船旅を味わえる。

2014_05_03_長州0001
セントラルのフェリーステーションではすでに大混雑。
私と同じく癒やしに飢えた香港人が大量に逃避行の旅に出るのだ。

2014_05_03_長州0002
こんなフェリーに揺られること一時間弱。

2014_05_03_長州0004
長州島に到着。
香港市内と違って、高い建物が無いので都会を離れてきたことが実感できる
もうちょっと青空が広がるような晴天だったら、と言いたいところだが、
夏の香港ではこのくらいがベストな天気と言えるかもしれない。
直射日光も射さないし、吹き抜ける風が清々しい。

2014_05_03_長州0003
フェリーから降りてすぐの通り。予想以上に人が多い。
休日は、この通り一帯はゆっくり歩けるような雰囲気ではない。

2014_05_03_長州0005
そして、ドン臭い私はこの自転車たちによく轢かれそうになる。
島で貸し出しているものだが、普段自転車に乗らない香港人たちが、
ここぞとばかりに暴走するから、危なっかしくてしょうがない。
尚、自転車は地元住民の重要な生活のための移動手段でもある。

2014_05_03_長州0007
人混みにもまれていたら、埠頭の方から、何やら賑やかな方々が。

2014_05_03_長州0008
お神輿のようなものまでやってきて、いよいよ通りはカオスに。
鳴り物も鳴りまくってるし、賑やかなこと極まりない。
そういえば、もうすぐこの島恒例の饅頭祭(5/6)
今日からそれに付随するアクティビティが始まっている。

2014_05_03_長州0009
そんな賑やかな場所からはちょっと離れて通りを一本入れば、
そこは食べ歩き愛好者たちのための天国が広がっている。
写真のようなフィッシュボールをはじめ、多くの小食店が軒を連ねる。

2014_05_03_長州0010
どこへ行っても小食ばかり。
だから、私が長州島に行くときはレストランで座って食べたりしない。
いつでも片手に食べ物を持ち、それを頬張りながら通りを歩く。

2014_05_03_長州0011
鉢仔糕。この島に来たら、マストな一品。
その懐かしい素朴な味は、日本人にも絶対受けるはずだ。

2014_05_03_長州0012
私が今までトライしたことのない卵。どんな味がするのであろうか。
小食店の片隅で不気味な雰囲気を醸し出している。

2014_05_03_長州0013
もちろん、腕自慢の師傅もいらっしゃる。

2014_05_03_長州0014
締めは日本人の方が経営されている大判焼きで。
日本で食べるのと同じ味なので、これだけのためにも来る価値がある。

2014_05_03_長州0015
お腹がいっぱいになったなら、すぐ隣りのビーチゾーンへ。
香港では数少ないビーチが堪能できる場所だ。

2014_05_03_長州0016
やっぱりここも人が多いのが玉に瑕だが。
香港で泳げる場所、という事実自体がレアなんである。

2014_05_03_長州0017
風が強かったせいもあるが、ハンドルしきれなくなった初心者ヨットが
ビーチに乱入して、大暴走。香港らしい光景である。
しかし、海の色はもう少し綺麗にならないものか。

と、ここまではある意味、長州島の王道ともいえるコースであり、
ここら一帯を歩き終わったら、セントラルに一旦戻りましょうか、
という最短コースを楽しむ人々だっている。

が、私の旅の目的は癒やしである。
私がここ長州島に来る時というのは大体そんなときが多いから、
いつもわざと一本路地に入ってみるというのが私の長州島の楽しみ方である。

2014_05_03_長州0018
そうすれば、がらりと島の雰囲気は変わって、この島がただの観光島ではなく、
そこに住む人たちがちゃんといて、静かな時を送っていることが分かる。

2014_05_03_長州0019
間違いなく、ここには人々の生活が存在している。生きた島なんである。
できることなら、平日に来てみて、その息吹を感じてみたい。
素朴な時間が流れ続けている。

2014_05_03_長州0020
ちょっと坂を登れば、そこには・・・。

2014_05_03_長州0021
坂の主がいらっしゃった。

2014_05_03_長州0022
「吾輩は昼寝に忙しいのである・・・。」
香港にもこんなに幸せな生活を送る野良猫が探せばいるものである。

2014_05_03_長州0023
こんな静かな住宅街だってある。
私なら、山の上に住むより、こっちのがラグジュアリーだと思ってしまう。
田舎の血なのかな。

2014_05_03_長州0024
思わず日本を想ってしまうような静けさ。
これを求めてやってきたのだ。
わざわざ離島まで来たかいがあったというもの。

さてさて、離島でちょっとゆっくりしたところで、今度はちょっとお散歩。
前回の記事ではないが、私も少々歩かなければならない。

2014_05_03_長州0025
ちょっと歩けば、無数の漁船を目にするだろう。
昔から漁業が盛んだったことは私のように予備知識がない人でも分かる。

2014_05_03_長州0026
街のあちこちでは地元でとられた海産物が並ぶ。

2014_05_03_長州0027
店のすぐ横で干しているから、本当に自家製なのだ。

2014_05_03_長州0028
当たり前だが、こういうのもある。
私は長州島では小食専門だから、レビューは他の方にお任せだ。

2014_05_03_長州0029
しかし、さっきからずっと歩いているが、道は果てしなく続く。
香港人が暴走を楽しむ自転車はもちろん日本人も借りることができるから、
それで島巡りを楽しむのが賢明かもしれない。

2014_05_03_長州0030
まだまだ続く。
カップルの散歩にはちょうど良いだろうが、私はあいにく一人である。
そして、やはり自転車に乗り颯爽と通り過ぎる香港人たちが少し恨めしい

2014_05_03_長州0031
途中でこんなものにも遭遇する。
ドラゴンボートフェスティバルで使用されるボートたち。

2014_05_03_長州0032
そして、歩き終わったかと思ったら、こんどは無慈悲な坂である。
前をあるくカップルはあんなに清々しいのに、
私ときたらすでに完全グロッキー状態間近である。大丈夫なのか?私。

2014_05_03_長州0034
そして今度は急な階段を降りさせられる。
こんな小島にここまで凝ったアトラクションがあるなんて、
ちょっと予想外であった。リサーチしとくんだったな。

2014_05_03_長州0035
そんなこんなを繰り返しているうちに、目の前には風景を楽しむカップルが。
ついに目的の場所に辿り着いたのだろうか。

2014_05_03_長州0037
ちょっとずつ目の前が開ける。

2014_05_03_長州0036
どうやら到着したようだ。
香港にしてはなかなかの絶景である。
ここまで歩いてきた甲斐があったというもの。

2014_05_03_長州0038
ちなみに、ここはどこかと言うと写真の通りの場所なんだが、
数世紀前に香港海域を牛耳っていた海賊さんたちのアジトだったんだとか。
相当な規模のものだったようで、いまだに伝説として語られている。
ロマン溢れるお話である。

要するにそれらの洞穴を見るために来たのであるが、
結局、たがが穴だし、香港人が行列を作っているという理由で、
私は風景を堪能しただけで引き返してしまっている。
そういう事を平気で仕出かすやつなので、旅行の同行者からは不評である。

2014_05_03_長州0039
ちなみに、私が海岸沿いを延々と歩いていた時に、何度も見たこの舟。
土曜日だってのに、漁師さんたちもご苦労さんなことだ、と思っていたが、
私の目的の場所のふもとまでの連絡船だったことが判明。
ちょっとお金を払えば、舟に連れていってくれたらしい。

なので、行きはゆっくり散歩しながら、帰りは舟でスマートに。
というのがおすすめのプラン、ということになる。
私ももう二度と歩いていくこともあるまいよ

2014_05_03_長州0040
ということで帰路へ。
島での滞在はせいぜい数時間というものだったが、
その程度でまわれてしまうお手軽さがまた良いのである。

この小さな島には確実に素朴で静かな時間が流れている。
だが、そのことを普段はまったく気にもとめていない都会人たちが
ふと思い出したように癒やしを求め、定期的にこの島を訪れるのだ。

それをやんわりと受け止めてやり、また来週からもしっかり働けるよう
慰めてやるのがこの島の役割なのだと私は思っている。
香港市民のお母さんのような、優しい島なのだ。

島にはこれといってエンターテイメント性を秘めるものは無いが、
島の民の静かな暮らしに簡単にアクセスできることと、
それが古き良き香港の生活をほんのりと感じさせてくれるところ
香港市民を惹きつけてやまないところなのだと思う。

私も癒やしを求めてこのクラブ「長州島」に定期的に通っているが、
この週末の突発的な混雑がなければ、いっそ住み着いてしまいたいくらいだ。
ということで、今回の長州島レポートも終わり。

写真のフォーカスが手動でピントがずれまくっているところが、
この島の雰囲気を出すのに一役買ったかもしれない。(完全に腕のせいだが)

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コメント

    • bonbon
    • 2014年 5月 03日

    平日の長洲は、とっても空いてましたよ。船もガラガラ。
    香港はコンパクトなので、海でも山でも島でも、非日常を味わえるところにすぐに行けてしまうのが大好きです。特に、船は旅情を掻き立てますね。

    ところで、あの卵(茶葉蛋)は美味しいですよ!
    八角とか、中華のスパイスで煮込んであるので、それ系の味がダメでなければお勧めです。

    • HKLF

      bonbonさま、ありがとうございます。

      やっぱり平日が狙い目なんですね。
      あの素朴な島での生活をゆっくり楽しみたいなら、
      お休みでもとって行ってみるべきですね。

      卵情報もありがとうございます!
      匂いからしてちょっと変わっているので、
      私はずっと敬遠していたのですが、
      bonbonさまご推薦なら試してみましょう。

  1. HKLFさんの写真が素敵ですね。背景のぼかし具合もとてもいい味。マニュアルを使いこなせないので尊敬です。・・・長洲島、ゆっくりできる一人旅よかったですね。深呼吸したくなる場所って貴重ですよね。ウチも訪港する度に平日に1度は行きます。坪洲島より魅力がギュッと詰まってますし、同じ田舎でも大澳のような独特の臭いに襲われないし、石澳よりも路地裏の楽しさがあって。新渡輪の普通船には最後部にオープンデッキがあるのですが、復路で落陽タイムに海上に居られる船便を狙って帰ってくると、海に沈む夕日がとても綺麗なんですよ。・・・茶葉蛋は粥麺店の早餐でよく食べます。bonbonさんがおっしゃるように美味しいと思います。殻を剥くと「怪獣の卵かい?」と思うような模様の入った卵が顔を出しますよ~。豆漿と合うと思います。・・・年季の入った張保仔洞の案内看板に正しいニホンゴが併記されてますね。なんだか不思議ですねー。

    • HKLF

      こえださん、ありがとうございます。
      毎回、長州島を訪れるってすごいですよね。
      香港に旅行に来られてる、その貴重な時間を使ってでも
      行きたくなる島。やはりこの島は人を惹きつける魅力でいっぱいですね。
      距離、便利性、グルメ、みどころ、すべてのバランスが絶妙ですしね。

      私も実は夕方まで残って、夕暮れの空でもとってみようかと思いましたが、
      歩き疲れて早々に退散してしまいました・・・。
      次回はオープンデッキで撮影する余裕をもっていきますね!

  2. 長州島行こう行こうと思って、行けてないです。
    サイクリングしたいなぁとのんびり思ってたんですが、これ完全に事故りそうだなっと読みながら思いました。

    そして、鉢仔糕を食べに今度行ってみます。

    • HKLF

      ellyemさん、ありがとうございます。

      先日、ellyemさんもラマ島について記事を書いておられましたが、
      長州島もなかなか良い所ですよ。
      場所的にもすぐ近くですから、ぜひ訪れてみてください。

      鉢仔糕は日本の羊羹のような味がしますが、
      甘さも控えめで、万人受けするものだと思いますよ!

    • lei
    • 2014年 5月 18日

    おぉ!5月3日にいらしたのですね。
    まさにお饅頭祭りの儀式がスタートした日
    島中の廟の神様がお神輿?山車?に乗って北帝さんに集まる行事です。

    このパン屋さん、船上で食べる朝ごはん用に時々購入しています。
    全てがミニサイズなので、3つで数ドルだったと思います。

    洞窟へ向かうのには1時間HK$10程度の(値上がりしたかな)自転車が便利です。途中の中学校より一本前の通り(埠頭寄り)に何軒か貸し自転車屋さんがあります。

    洞窟、実は行った事なく…(^^;;
    お天気がよければその上にある天后さんから眺める海がまたきれいです。

    我が家付近で撮られたお写真もあり
    勝手に恥ずかしい気分になりました(^^;;
    平日は本当に住民しかいませんので昼間はのんびりしていますよ。
    土日の人出、最近尋常ではありません。

    • HKLF

      leiさん、ありがとうございます。

      そうなんです。
      leiさんの地元にこっそりお邪魔しておりました。

      私は残念ながら、土日に観光客のひとりとして島を訪れるしか
      経験がないのですが、やはり平日の表情も見てみたいです。
      素朴で淡々とした時間が流れているのでは、と想像します。

      また長州島に行く際は、おすすめのグルメや島民だけが
      知っているスポット等ありましたら、教えてくださいね。

    • まさ
    • 2014年 7月 03日

    拝見させていただきました。当方も長州島の雰囲気が好きで、先月末にも行ってきましたが通算で20数回の長州島です。昨年は東側の海で泳いだり楽しめました。島を歩くと香港とは思えない自然も堪能出来るので香港に行くと必ず寄ってしまう所です。海鮮料理もまた毎回楽しんでいます(←これが目的ですが) 今回は突然の雨と、いつも行っていた外れにあるお店(新金湖海鮮)が無くなっていたのが残念でした。

    • HKLF

      まささん、こんにちは。

      20回以上とはこれまた超ベテランの領域ですね。
      このような薄っぺらい写真たちでは満足されなかったのでは
      ないでしょうか・・・。次は頑張ります。

      長州島、船旅の時間が小旅行のようでちょうど良いですし、
      島には懐かしい空気が流れているので、(土日は人多いですが)
      ファンが多いのも頷けます。
      小食を頬ばりながら歩く時間なんて最高ですし。

      あぁ、こんなことを書いていたら、また定期的な長州島に
      行って癒されたい病が再発してきそうです。笑

    • LeM_CUP
    • 2015年 3月 12日

    外国人、いや香港人もあまり知られてないかもしれません。
    太平清醮(饅頭祭?)じゃなくても普通に売ってますよ、平安包。
    ただ「郭錦記餅店 Kwok Kam Kee Cake Shop」しか売ってないけど。
    アレは本当に絶品ですよ。
    自分は何度も平安包の為に長州島行きました。
    またの機会に、是非試して欲しい。

    • HKLF
      • HKLF
      • 2015年 3月 12日

      へ〜、あの平安包、そんなに美味しいものだったんですね。
      次行く時に試してみますね。
      (きっと来月くらいにまた行くでしょう。私長州島が大好きなのです。)

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