フルーツの王様と私

分かっちゃいるけど、怒りが込み上げてくる。

あんたも一応、広い意味で言えばお客だから、普段散らかってるうちを
曲がりなりにも掃除して待っていたのに、手際よい作業を終え、
帰っていった後はもう絶望的な光景が広がっちゃってる。

あんたが誰かっていうと、俗に「師傅」って呼ばれてる人たち。
まぁ、いわゆる職人さんたちでそれがIKEAの組み立て作業員だろうと、
ガス会社の設置担当係だろうと何でも良い。

必要以上に鍛えた体をアピールするかのような姿でやってきては、
ものすごいスピードでタスクをこなすまでは良いのだが、
その作業の間に出たゴミとか、クズとかをそのまんまにして
帰っていくので、結局また私が大掃除しなければならない

彼らが来る前、来た後で毎回二回掃除するはめになるのだが、
私の苦労も少しは分かってやって欲しい。
物を動かしても、元あった場所に戻すとかないから、
もともと掃除嫌いな私にとっては天敵のような存在である。

だったら、来る前にする掃除は省略しちゃって、
彼らが帰ったあとに一回やればっていうかもしれないけど、それはそれで
何だか失礼という変な日本人らしさはまだここにあるのである。

 香港は南国フルーツの宝庫

そんな私にとっては罰ゲームに他ならない二度の掃除をこなした後、
ちょろっと出かけて帰りがけにスーパーに寄った。
さすが夏だけあって、いろんなフルーツがてんこ盛り。

日本の果物とは全く趣が違って、かなり南国なルックスを持つ
フルーツたちが並んでいる。マンゴー、ライチ、マンゴスチン等々。
タイやフィリピンから新鮮で安価なフルーツが大量に輸入されてるから、
香港に住み始めた頃は物珍しさもあって、私は嬉々としてそれらを食した。

そんなフルーツ売り場の中でも異色の存在というか、異臭の存在が
世に有名なドリアン。その臭い故にしばしば敬遠されがちだが、
勇気を出して食べてしまえば、その独特な芳醇な味の虜になってしまう。

よって、この世の中にはそれが死ぬほど好きな人もいれば、
半径30m以内には入りたくないというほど嫌いな人もいるという、
大変に面白い果物なのであるが、香港ではこれがそこら中で手に入る。

私はどうかというと、分けてもらえれば食べる、という程度。
というか、私はこの類の食物がとても多い。
例えば、エビやカニという、所謂シーフードは私ももちろん
とっても美味しいとおもうが、一人の時や目上の人と食べる時は
絶対に頼まないのである。何故なら、食べるのが面倒くさいから。

殻を剥いたりとか、臭いがつく食べ物とかそういうのが
とっても億劫に思うほど面倒くさがり屋なので、人が剥いてくれるなら
食べるけど、そうでないなら別に、的な。
「きっと死ぬほど好きってほどでも無いんだろ」カテゴリーの食べ物である。

 どこまで自分勝手なんだか

ということで、私も曲がりながりにもドリアンに対する免疫を
有するのであるが、実はこいつのせいでいろいろ苦労もさせられている。

ちょっと前に出先でドリアンを購入して、バスに乗って帰っていた時。
前の席の師奶がさっきから何度も振り返ってくるな、と思った矢先、
あんたのドリアン、臭すぎるのよ!今すぐ降りて!痴線!
その後、バス停に停まるごとに「早く降りなさいよ!!」と
罵声を浴びせられ続けたという苦い思い出がある。

そういう都合の悪い時は広東語が分からない外国人のフリをするのが
私の処世術なのだが、あの時は本当に心中穏やかでなかった。
一応、こちらにも罪悪感というものもあったわけである。

ホテルによっては部屋に持込み禁止というような代物であるから、
反ドリアン派の方々にとって、バスという密室でドリアン
なんてマジでシャレになんなかったんだろうと思う。

かくいう私も他人のドリアンの臭いは嫌いである。
自分が食べたくて買ったドリアン(めったにないけど)の臭いは
気にならないが、通り過ぎる人が持つドリアンには憤りを覚えるのである。

この凄まじき自己中心的な矛盾
これ、多分タバコだと分かる人もいるのではないだろうか。
自分が吸ってても気にならないが、人の吐いた煙には何故か敏感、みたいなね。

 食い物の恨みはマジで恐ろしい

それから、もう一つ。
これは日本から香港に来客があった時のお話。
この時、私が出会ったのはとある女性であったのだが、香港に来る前から
どっかのガイドブックで見たのか、満記甜品の「マンゴークレープ」
食べたいと呪文のように繰り返していたのである。

空港からホテルに着いて、部屋に荷物を置くなり、ハーバーシティの
満記甜品に直行したが、その期待が頂点に達しようとしていたとき、
私の中で悪魔が囁いてしまった。

というか、別に悪意があったのでも何でも無く、単純にマンゴーなんて
日本でも食えるから、どうせなら珍しいものを、といういらぬお世話を
焼いてしまったわけだが、なんと私は「ドリアンクレープ」を頼み、
その反応を楽しむといういつも以上に空気が読めないことをしてしまった。

残念ながら、完全にマンゴーReadyな胃になってしまっていた彼女が
私の子どもじみたサプライズに微笑んでくれることはなく、
一口だけ齧られたクレープと、最悪のスタートを切った香港旅行、
ぎくしゃくした時間だけが後に残ってしまった。

食い物の恨みはまことに恐ろしい
そういう諸々の個人的かつ若気の至り的な甘酸っぱい過去があるため、
このフルーツの王様と私の相性は今のところ最悪である。

ちなみに、このドリアン、もうちょっと小さなパックで売って欲しいよね。
できれば家に帰るまでに途中で食べちゃえるくらいがベスト。
冷蔵庫に入れちゃったら、開けるときが怖すぎる。

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