ナショナリズムなジャーナリズム。

中国

皆様、明けましておめでとうございます。

今年も相変わらず自分のペースでやってくHKLFだと思いますが、ぜひぜひよろしくお願い致します。

ってなお正月的な挨拶。結局、今日一回も口にすることがなかった
2日から通常営業な時点でかなりガッカリな香港で、しかも私が勤務する部屋には
日本人が自分一人しかいなくて、他は皆、香港人もしくは中国人という構成。

私が出社してすぐに囁いてみた小さな「新年快楽…」の響きは、新年から忙しくしている
彼らのパソコンを打つ音に見事にかき消されてしまって、返ってくることはなかった。

まぁ、私としてもそうなることが分かっていてやってるから、それでいいのだ。いいのだ・・・。

 最高の席を確保したと思ったら

そういえば、私は年末にオフィス内で引っ越しをしたのだけれど、今の席は実に居心地が良い。
一番奥の座席だから、ほとんど人通りもないし、存分に好きなこと・・・あ、仕事に集中できる
さらに幸いなことに「冷房をガンガンにしてないと、空気がなくなって窒息しそう。」とかいう
間抜けなことをぬかす香港人も付近にいないから、至って快適な室内温度も維持されている。

そんな素敵な席を手に入れた私だけれど、最近になってとあることに気づいてしまった。

自分の座っている隣の島が日常的に炎上を繰り返している地雷島、だということに。

あぁ、よくよく見てみれば、香港人チームと本土人チームが対峙するように座っている。

私が引っ越してきてすぐは遠慮していたのか、何事もないように見えていたのだけれど、
最近では露骨に険悪な雰囲気が流れていているから、業務時間中、私は正直気が気でない。
多分、朝鮮半島の軍事境界線とか行ったらこんな感じなんじゃないだろうか。

まぁまぁ、同じ国民なんだから、仲良くしたまえよ。アッハッハ。
とか陽気に言って場を和ませてみたらどうだろうか、とかも考えるけれど、私の計算上高確率で
「お父さんは黙っといて!!!(ギロリ)」な反応が返ってきそうなので今のところ自粛している。

未だにヤツラは宇宙人みたいな存在だ

しかし、香港における本土人っていうのは私にとっても未知の存在である。
仲良くなった人も数人いるはいるのだけど、未だに彼らのマインドセットの一部は謎に包まれている。
だって、ヤツラが家に帰ったあと、どんな活動に勤しんでるかなんて毛頭見当がつかない

念のため、ここで書く本土人というのは私が付き合うとっても限定された特殊な層だ。
本土の大学で学んだ後、香港の大学院に入り、そのまま香港で就職し、ステップアップの機会を
虎視眈々と狙っているグループ。いわば勉強に専念できる経済基礎がある家庭で育ち、
学業優秀というステータスを得るだけの頭を持っている上に海外思考が強い、という
多分に恵まれた背景を持った本土出身者たちのことをここでは指している。

私はあんまり好んで本土に行く方でも無いし、中国地方都市に住む日々を一生懸命生きる庶民が
何を考えてどういう風に生活しているか、なんてほとんど知識がないのだけど、
当然、中国という国を見た時はそういう人たちがマジョリティになるから、今から私が書くことを
常識としてとることは全くの間違いであることはあらかじめ断っておく。

 香港への脱出劇を成し遂げたひとたち

そもそも、私は彼らに対して巨大な思い違いをしてしまっていたんだと思う。
高学歴者たちが中国本土からわざわざ香港にやってきて、香港パスポートを取得しようとしている。
このトレンド自体が彼らにとっての「悪しき祖国からの脱出願望」だと私は決めつけていたのだ。

何せ中国と言ったら(少なくとも多くの日本人のイメージからしたら)良いとこなしだ。
時代遅れの雰囲気も甚だしい中国共産党による一党独裁、工場から垂れ流される汚染水、排気ガス、
やたら人が多い上に品が悪いし、工場から出てくるプロダクトはイマイチ信用置けないものばかり。

そんな国、私だったらとっとと逃げ出したくなるに決まっている。香港のほうがよっぽど文明的だ。
いくら情報統制が行われている中国本土と言えど、高学歴者たちは巧みに情報を収集し、
自由な海外での活躍の場を求めているのだろう。そういうよく有りげな先入観を当時は持っていた。

香港に来ることで脱出成功。もう二度と本土なんかに戻りたくなんかないんだろな、良かったね。って。

 徐々にその姿を現した彼らのマインドセット

普段の軽い冗談くらいだったら、笑って流す。
でも、それがしつこくなったり、話がちょっと核心に触れてしまうと、彼らの目はすぐマジになった。
自分で祖国の悪口を言うこともあったりしたから気を抜いていたのだけれど、人から言われるのはNG。

最初は何かの間違いだろと思っていたけれど、さすがに回数を重ねることで事実として受け入れた。
中国にもナショナリズムってのがあったんだって。失礼だけど、あの中国を愛する人もいたんだと。
祖国にいるときはいやいや共産党に付き合ってやってたんだろうと思ってたから、
目の前で怒りに震えている彼らの存在は私にとってはあまりにも衝撃的だった。

普段はとってもキレ者、そして「祖国にいる本土人と違って私は国際的な目を持ってるの。」を
自負する彼らが豹変したからショッキングなのだ。確かに前者の頭のキレに関しては問答無用で
私なんかよりよっぽど回転が速いけれど、国際的な云々に関してはかなり雲行きが怪しくなった

何せキレたときの彼らは、洗脳されてる感が半端ないし、それに自身が気づいてる様子もない。
(事実、知り合いの一部には正式に共産党員になった人も存在する)

このご時世に情報統制なんて。と思う人もいるかもしれないし、私もそう思っていたけれど
思いの外まだまだ強力に働いていて、外部の世界に感化されているのは本土都市部の一部の人だけ。
地方都市や農村で暮らす人にとっては共産党は圧倒的な物質的・精神的支配力を持っているようだ。

共産党に忠誠を誓うかどうかで、学歴や出世、人生自体が左右されるわけだから、至極当然である。

 本土でジャーナリズム専攻。生粋の海外思考か、はたまた筋金入りの共産党員なのか

どうして私が急にこんなことを書き始めたかというと、それは今日のランチがきっかけ。
うちの会社に新しく入った本土人の子が大学で学んでいたメジャーが「ジャーナリズム」。
それが香港人にとっては滑稽だったようだ。まぁ、確かにそれもそうかもしれない。

情報統制してる国の人が、言論の自由がある場所でジャーナリズムを学ぶ。

しかも、彼女は香港パスポートを取得し、自由な身は手に入れたいものの、結局将来的には祖国に
帰ることを希望している。帰ったところで何を報道したい(できる)というのか

というか、本土にいながらジャーナリズムっていうものを選択してしまった事自体に、
すでに怖さがあるような気がしないでもないけれど。
そして、もしかしたら彼女たちは私が思うよりもさらにナショナリズムを内包する人で、
情報規制項目なんてむしろ歓迎くらいの共産党的視点の持ち主かもしれない。

そんな無益な想像が私のようなちっぽけな日本人の頭の中を駆け巡ってしまうくらいに、
彼らのマインドセットの根っこの部分には中国らしさが良くも悪くも横たわっている
少なくとも私には彼らがいずれ中国というカラーを捨てて、いわゆる西側の国々で
笑って楽しく一生を過ごしていく、っていう画がまったく見えてこない。

…と、そういうことをランチを食べながらボンヤリ考えていたら、私の隣の島で起こる冷戦も
悪化することはあっても終わりを告げることはまぁないだろうなとちょっと憂鬱になってしまった。

世界の常識が変わりつつあるから、私も中国のこと心配する前に自分のことを・・・

ちなみに。
こうやってツラツラ日本人視点で書いてしまっているけれど、それももはやあんまり意味を
持たないかもしれない。何故なら、私の側にいる本土人たち、いや香港人だって、
中国の時代の到来を一ミリたりとも疑っていないし、まさに世界はそういう風に動いている。

そうなると、中国がダメだとか、古いとか、そういう考え自体がOutdatedな世の中だって
来ちゃうわけで。世界の歴史は勝者の歴史、常識だって当然勝者の理屈をもって創造されるのが常。
近頃、香港や中国に移住したいっていう西洋人だってまったくもって珍しいことでもないし、
あんまり表面化していないだけで、中国を巡る評価や価値観は知らないうちに変わってきている。

そういう時代の境目にあって、過去の基準で中国を論じて、あろうことか「頭もいい。仕事もできる。
性格も穏やかだけど、あんな祖国にナショナリズムを持ってることだけが残念だよね〜。」
なんて言ってる事自体が時代遅れになりつつあるし、彼らに「私たちのこと心配するのは
良いけど、
自分の国の未来は大丈夫なの?」とか言われたら一発で論破だな、とか思いつつ。

いずれにしても、これだけの高学歴者層に愛国というプログラムを完全にインストールし、
海外で一流の知識を習得させ、また祖国に帰ってそれを役立てることまで可能にしている
中国って国は一体どこに向かって、またどんだけ伸びていくんだか。
考えれば考える程、底の知れない未知の国なのである。

※ 繰り返すけど、ここで私がお話しているのはめちゃくちゃ限定されてる一部の本土人たち。

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