スタバに想う日本と香港

今日、私は二週間の一時帰国から明けて香港に着いたばかり。

なんだかんだで今年下半期は多くの時間を日本で過ごすことになってしまったのだけど、
私も久しく離れていた日本の生活リズムにどことなく調子をあわせられるように
なってきているかもしれない。他の日本の皆さんから見ると、まだまだ突っ込みどころが
多いのかもしれないけれど、少なくとも自分はそう思うようにしている。

ところが、そんな矢先、私はとっても驚くカルチャーショックに遭遇した。
場所は新宿・伊勢丹前のスタバ。

別にそこのスタバが他と変わっている、とかそんなんじゃない。
私が店を訪れた時も極めて平常通りに店は運営されていたし、特段変わった訪問客も
訪れてはいないようだった。だから、日本の当たり前の中に私の驚きは発見されたのだ。

何度も耳を疑うも、真顔で繰り返される案内

朝の新宿は忙しい。スタバの中も多くのビジネスマン、伊勢丹の開店を待つ
買い物客で溢れかえっていた。そんなコージーな雰囲気の中、私はせっかく日本に
来ているというのに、マンゴーフラペチーノというトロピカルな飲み物を頼むべく
さほど長いとも言えない行列の最後尾に並んだ。

そして、いよいよ私の番。
私は徐ろに「マ、マンゴーフ・・・」と注文を伝え始めようとする。
男であるのに、エスプレッソでもなく、アメリカンでもなく、朝からフラペチーノ系の
注文をするのはいささか恥ずかしいものだが、飲みたいものはしょうがない。

すると、そのスタバでもおそらくシニアだと思われるメガネをかけた男性店員。
私の言葉を突然に遮って、「お客様、お席はすでに確保されておりますか?
まずはお荷物を置いてお席をとられてから、ご注文ください。」と言うではないか。

自慢ではないが、私はあんまり人に向かってイライラするほうではない。
いや、正しく言うと、人並みに不快は感じるのだが、ネガティブな感情をあんまり
表立って出す方ではないという不正確かもしれない自分観察をしている。

であるというのに、その時ばかりはちょっと表情に出ていた自覚がある。
なんせ私の中では微妙な勇気に後押しされたマンゴーフラペチーノの注文が
未遂に終わってしまったことが私の感情を刺激したのはもちろん、
2つ目の席の問題の方が重要だった。私はひとりでスタバに来ていたのである。

メガネ君と私の間にそびえ立つ壁

私に席をとってこいというメガネ君。当然ながら、何も間違いを犯したなんて
思っていない。いや、日本ではそれはまったく間違っていないのだろう。

しかし、私にとってひとりでスタバを訪れて、自分の荷物をどこかの席に置いてくる。
そんなの頭がイッちゃってるパッパラパーなヤツがする自殺行為にしか思えない。
… それが理解できないメガネ君と私の間には明らかに国を越えた常識の壁という
大きな相互理解の障壁がそびえ立っている。

日本の治安の良さ。というか、人々の倫理観が他より高いのは私にもわかる。
それは同じ日本人として誇らしいことだけれど、残念ながら私が暮らす国は違う。
自分の持ち物は自分で守る、それが常識というものであり、どちらかというと
「国際的な当たり前」に近いのも後者の方であろう。

そんな中で暮らす私にとって、大事なパソコンが入ったバッグしか持たない私に
それを席においてこいと半ば強制的に言い放つメガネ君には大変に驚かされたわけだ。

香港人はそんな危険なの?

一応、香港の名誉のために付け加えておくが、香港の治安は至極良い。
最近、デモ、デモ、とはいうけれど、極度にそれに近寄ったりしない限り、
市民の生活スペースでは相変わらず高度な治安が維持されているし、
それは香港の夜道を歩いて見てみれば誰しもわかることだろう。

そして、乱暴に言ってしまえば、香港人の倫理観も日本に負けず劣らず高いと思う。
ここで生まれ育った人たちというのは、相手に迷惑をかけたりしないという常識と、
法律的、そして倫理的にやって良いこと、悪いことの判別くらいはできるように
教育されている。だから、この人たちはいわば安全なグループとも言うことができるかもしれない。

しかし、問題は香港に住むのは香港人だけではなくて、危険なグループも存在すること。
いつも不敵な笑顔を見せるインド人や、南アジアから出稼ぎに来る人たち。
まさに人種のるつぼとも言える国際都市ではあるけれど、その中でもやはり
中国大陸から来ている輩の蛮行には、その母数の多さからも特に留意が必要だろう。

私の注文はどこ行った?と大人幼稚園の中で頭を抱える日常

誰にだって、自分のスタバというのがあるかもしれない。少なくとも私にはある。
それはオフィスの階下にあって、場所柄、非常に多くの大陸人が波のように止めどなく
押し寄せる店舗なのだが、これが本当にひどい。

日本のスタバのような和やかな歓談ムードを持つものとは、全く異次元の空間がそこにはある。
それぞれがまるで自分の家かという様子でくつろぐ人民たち。
(どこに行っても、自分の周囲半径数メートルをホームにしてしまうのはヤツラの得意技
そこには一杯5~600円も払ってコーヒーを飲むようなプチラグジュアリーは毛頭存在しない。

しかも、ひどい時には自分のオーダーしたものが勝手にもっていかれることだってあるのだ。
私の注文したフラペチーノ(私は香港でもフラペチーノを好んで飲む・・・)が
待てど暮らせど出てこないことなんて日常茶飯事。しびれを切らして店員に聞いてみれば、

さっき出したけど?

こういうことが既に片手で数えきれないくらいマイスタバでは起こっている。
そのたびに店員さんは何かに気づいたように、慌てて私のフラペチーノを作りなおして
くれるのだけれど、マイスタバ、ちゃんと採算とれてんだろうか。
まぁ、スタバなんて普段から暴利貪ってるんだからいらぬ心配かもしれないけれど。

地獄絵図はいずれ日本にも飛び火?

ともかく、私が日常的に経験しているスタバは、日本のそれと比べるとある意味、
地獄絵図のような様相を呈しているものであって、そんな鬼たちが狂喜乱舞する中に
自分のバッグを放り投げるようなことがあれば、その場でみんなで山分けされてしまう、
そういういつもの常識が、メガネ君の命令に拒否反応を示してしまったわけである。

もちろん、香港内でも地域によって、客層も違うから一概には言えないけれど、
少なくとも尖沙咀エリアの店舗(それも広東道沿い)では私はビジネスミーティングを
オーガナイズすることは金輪際ないだろうし、いずれの店舗であっても荷物を
放り投げるようなことはしないと思う。

しかし、もう一度考えなおしてみると、「荷物を置いてくる」ことが当たり前な日本って
いうのは本当に稀有な国であって、素直に感心するけれど、近年日本にも
大量の中国人が押し寄せるようになった今、日本人だけの倫理観でものごとも
測れなくなって来るんじゃないか、ともちょっと心配する。

今後、中国からのビザ緩和が進み、数年後私が同じスタバを訪れた時、メガネ君はまた
私をドキッとさせた「マニュアル文句」を堂々と投げかけてくるのだろうか。

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コメント

  1. 本来ならばリラックスする場所であるあの店内で、要らぬことを(→あくまでも日本人の日常の感覚で)心配せねばならぬのって・・・もっとも、某国の皆さんは自国スタイルでリラックスなさっているんでしょうけれど。でも、注文したドリンクが消えるって。。。

    何年か前は“リラックスできる場所”だった海港城広東道沿いのスタバも、近年は寄りつけなくなってしまいました。足を投げ出し、空っぽのカップと盛大な食べ後ゴミ(なぜか麥當勞のハンバーガー包み紙やマックポテトの空き箱など)をテーブルに散らかし放題でずっとスマホで遊んでる皆さん。1~2時間街歩き&海港城内散策をした後に行ってみても、同じ人たちが同じ席で同じ状況。・・・そう遠くない日に銀座のスタバも同じ状況になるのかなあ。

    今は上環界隈でも同じ光景ですね。あ、上環イビスホテル階下のスタバで某国の人たちの近くに座るしかなくそうしてたら、離れた所から店員さんが黙って僕に手招き。欧米系のカップルが座ってる近くの席が空いたようで「そっちに移動しなよ」と手と目の動きだけで案内してくれたことがありましたよ。(笑)・・・ごめんなさい、記事の本筋から離れたコメントでした。

    おっしゃるように日本を出たら自己責任で、ですよね。AELを使わず、いつもバスで空港との行き来をするのですが、毎回あの一階の荷物置き場や出口横のスペースにカバンを置きっぱなしには出来ません。できればチェーンロックをしておきたいけどそれも面倒だし。よって僕は1階で窮屈に座るか立ってるか。「太太行っといで」と2階へ上げて自分はいつも1階です。近年は盗難抑止のモニターカメラが付いたとはいえ、やっぱり香港ですものね。1度でいいから2階席に一緒に座っていたいんですケド。

  2. HKLF
    • HKLF
    • 2014年 12月 08日

    日本から離れたら、きちんと自分の持ち物は自分で守る。
    とっても大事な心がけだと思います。盗られる方にも問題があるわけですから。
    FBの方でも少し書きましたが、私はパリに行った際に小学生くらいの女の子に
    目の前で堂々とスリをされるという衝撃的な事件にも遭遇しました。
    日本っていうのはよっぽど特別な場所です。

    そして、その日本もいつまでも今のままではいられないのだと思います。
    すでに変わりつつあるフェーズだと思いますが、今後とくに海外の低所得層に
    門戸を開いていく国際化が進んできますが、今後はより一層個人個人の
    責任が求められるようになっていきますね。

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